CLASSIC CAR LOVERS
クラシックカーを愛する人々

2016.06.28 | Special

volume 03_Shogo Jimbo

神保匠吾さん(ドライブスルー/ディレクター)
車種 いすゞ117クーペ

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クラシックカーなら、記憶に残る移動ができる。

前回の横井カメラマンさんからご紹介頂いたのは、クラシックカーを多く扱うオンラインメディア『DRIVETHRU®(ドライブスルー)』のディレクターを務める神保匠吾さん。今回、ご紹介して頂いた車は、いすゞ車専門店「ISUZU SPORTS」と共同開発した『117クーペ』のアップデート版です。シェアカーとしても利用可能なこのクルマのデザイン、お気に入りのポイントを伺ってきました。

今回ご紹介頂くのが117クーペ。Webサイトで見た時、スタイリッシュでクールと思いました。

神保氏(以下神)「もともと、WEBマガジンの販売用に、いすゞ117クーペのアップデート版を作ろうと思って、昨年の夏にいすゞ車専門の「ISUZU SPORTS」と共同で制作しました。制作中に、シェアカーサービスの会社からお声がけ頂いたので、一旦路線変更をして現在シェアカーとして使用しています。様々な人に実際に楽しんでもらってから、そこからのフィードバックを経て販売しようと思っています」

デザインのベースとなったのはいつ頃のものでしょうか?

神「この車の製造自体は78年です。後期型のデザインで、ある程度メカが完成系なのものをベースに進化させたのでアップデートしやすかったです。タウンユースとして使いやすく、東京など都心の速度規制とストライクゾーンが同じで、50km/hくらいで走るのが気持ち良いです」

タウンユースとしてデザインするのに気をつけた部分は?

神「この車の前に元々オリジナルのMTでパワーステアリング無しの117クーペをレンタカーとして展開していて、その時にタウンユースとしての問題点をピックアップして、そこを改善しながら作ったのですが、最初はハンドルが重過ぎては、縦列駐車で、何回も切り返さないといけなくて、それがかっこわるくて(笑)。なので、このシェアカーでは、誰にでも気軽に乗れるように、パワステを装備させたのと、その後、ロードテストを何回もやって改良を重ね、今では支障やトラブル無く乗れるようになりました」

デザインとして気に入っているポイントはどこでしょうか?

神「ジェルジェット・ジウジアーロの面と面を合わせた様なデザインがすごく綺麗ですね。後ろからフェンダーミラーを見た時の流れるようなシェイプが美しいです。また、内装はもともとワインレッドのちょっとスナック風の雰囲気では、ただ単に『レトロすぎる』と思い、シート部分をアルカンターラの次世代生地、ウルトラスエードに張り替えてモノトーンでシックにしました。コンソールボックスも、プラスチックだったものを同素材に変更して雰囲気を統一。こだわったので車内のムードはお気に入りです。また、三角窓は、最近の車ではまず見ることができないですが、心地よい風を浴びながら走れて快適です。クラシックとはいっても、冷暖房はしっかりしていて、気分によって使い分けています。あと車高が高くも低くもなくフツーなところも好き。シャコタンよりノーマルの状態を大事にしてます。」

タウンユースということですが遠出の経験もありますか?

神「ロードテストを兼ねて高速に乗って伊豆に行った事があります。この車はあまりスピードを出す気にならないのでゆっくり流す感じですね。スポーツカーというよりかGT(グランツーリスモ)というか、ゆっくり疲れず車に優しく走る感じです。先日、女性の方がカーシェアリングを利用して頂いて、軽井沢までドライブを満喫され好評でした。ただ、私自身はやはり都心を普段使いとしてぐるぐる回る方がハマる車ですね」

この、いすゞ117クーペだからこそ経験できたエピソードは?

神「今、手掛けているサイトでは『車に興味のない人達を振り向かせたい』という想いで発信していますが、117クーペは『車として純粋に欲しいなって思えるし、買う価値がありますよね』というお声を頂いたことがあって、凄く嬉しかったです。あとはとにかく道で話かけられる事が多いのですが、特に海外の方が特に多くて。例えば、青山に停めている時に『この車、何?ホンダ?』と聞かれたことがあって、『いすゞ』と答えると『こんなデザインの車、知らなかった!』ってことがよくあります。去年のモーターショーの時も、海外のモータージャーナリストの方でも知らない人が多かったです。海外には、ごくわずかしか出ていなかったので、いすゞの獅子マークを見て『なんだ!この車は、なんだ!このマークは』ってなる人も多いのかもです」

では、神保さんご自身がクラシックカーと今の車を比較すると?

神「私自身は、クラシックカーが好きというより車全般が好きなんですが、自分の感覚に引っかかる車はやはり古い方ですね。オーガニックの食べ物みたいに純度が高い車が古い車っていう感じです。新旧の車を機能面で比較した場合、今の車はエアロダイナミクスをデザインに組み込んだ丸みを帯びている車が多いですが、クラシックカーの角張っている車でも燃費は丸い車とさほど変わらないと思います。ただ、排ガスと安全性はやはり今の車には敵わないと思います」

117クーペ以外にアップデートしたいクラシックカーはありますか?

神「次はEVかなと思っていて、具体的にやってみようとしています。117クーペの太いトルクでエンジン音は無くなりますが、今後も作りたいのはタウンユースなので、それはそれでいいのかなと思います。もしくは117クーペより古い、いすゞのベレットですかね。実は、いすゞ・ベレットの方が、より走りは自分好みではありました。」

それでは最後にクラシックカーの魅力とは?

神「乗っていて単なる移動じゃなくて、記憶に残る移動が出来るところです。初めて耳にする昔の音楽を聞いて、新しいなって思うことと近いと思います。飲み屋やバーで昔の曲が流れていて、隣のおじさんにはエピソードがあるけど僕には新鮮に感じるみたいなこと。また、前におばあさんが、突然、車から降りたら話かけてきて、昔、旦那さんにプロポーズされた時の車が117クーペだったらしく「写真を撮ってもいい?」と尋ねられました。クラシックカーに乗っていると、思ってもみなかったコミュニケーションが生まれる、そういうのも嬉しいですね」

photograph : Taku Amano
edit : Takafumi Matsushita
interview : Yuto Murakami

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