CLASSIC CAR LOVERS OVERSEA
クラシックカーを愛する人々(海外編)

2017.11.07 | Special

volume 9_Michael Pusch(in Berlin)

ミヒャエル・プッシュさん(カフェ・バーオーナー、ミュージシャン)
車種 Ford Taunus 12mP4(1966)

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「クラシックカーと音楽は同じ。人と人を繋いでくれる、人生を楽しくしてくれる、そんな存在です」

ベルリン・ミッテ地区のZionskirche教会前に佇むカフェ・バー「ick koof mir Dave Lombardo wenn ick reich bin」のオーナーであるミヒャエルさん。2003年にベルリンへ移り、3年後に同店をオープン。バー経営者だけでなく、ミュージシャン兼レコードコレクターという顔も持つ彼の2009年来の相棒は、ドイツに4台しかないという大変貴重なモデル「Ford Taunus 12mP4(1966)」。彼の経営するカフェ・バーにて、仕事、愛車とのストーリー、モノ選びの基準について伺ってきた。

ミヒャエルさんが経営するカフェ・バー「ick koof mir Dave Lombardo wenn ick reich bin」について教えてください。

ミヒャエル氏(以下ミ)「2006年にオープンしたミュージックカフェ・バーです。私はもちろん、スタッフも音楽好きなので、営業中はいつも各々の好きな作品をかけています。店内の一角をステージとして、たまにミニライブなども開催したりしますね。お酒は基本的に何でも揃えていますよ。特にジンは4~5種類以上揃えています。ウォッカやラムなど色々あると思うんですが、カクテルといったらやっぱりジントニックですね」

ミュージシャンとしての活動、趣味のレコード・コレクションについて教えてください。

ミ「友人と共に『Amigo Tropical』というバンドを組んでいます。私が楽器を始めたのは少し遅めで、20歳からベースを始めました。なので、バンドでは主にベース担当ですね。レコードは本当に好きで、自宅に約4,000枚程所有しています。ジャンルは主にエクスペリメンタル、ノイズ、ジャズやブルース、ロック系が多いですね。ちなみにバーのトイレ前の壁に敷き詰められたレコードジャケット達は私のコレクションの一部をコピーしたもの。私の人生にとって、音楽は切っても切り離せない大事な存在です」

それでは愛車についてですが、『Ford Taunus 12mP4(1966)』を選ばれたきっかけは何でしょうか?

ミ「2009年にインターネットで見つけて即決でしたね。ミュンヘン在住のmP4コレクターから購入しました。こう見えて実はノルウェー産。ずっとステーションワゴンが欲しくて探していたんです。ファンシーやスポーティーなものにはあまり興味無いんですよね。ドイツに4台しかないレアなモデルなんですが、私が生まれて初めて購入した車でもあるんです。そもそも愛車を購入した時期、当時新しいベースを買うか初めて車を買うか迷っていて、考え抜いた結果、最終的に愛車購入に至りました。今思えばとても良い決断だったと思っていますよ」

愛車で気に入ってるのはどこでしょうか?

ミ「ベーシックなところ、全てですね。60年代のデザインが好きで。あと機能面でいうと、やはりトランスポートに強いところは重宝しています。例えば、バンドのコンサートの機材を運んだりしているんですが、収納スペースが広いだけでなく、愛車に乗ることで気分も高まりますし、まさに一石二鳥ですね。こう見えて結構ステイブルなので、安心して運べますよ」

いつからクラシックカーに興味がありますか?

ミ「子供の頃からです。物心ついた頃からマッチボックス(ミニカーの玩具ブランド)や車のカードゲームでよく遊んでいました。あとは親しい友人が根っからのフォード・マニアで、その影響もありますね。先程もお話ししたのですが、この車が生まれて初めて購入した車です。2011年に娘が誕生し、父になったのですが、あいにくクラシックカーにはチャイルドシートを設置不可能なので、別でファミリー用の車を所有しています。たまに娘をクラシックカーの座席にも乗せてあげるんですが、とても誇らしげに喜ぶのが可愛くて。早く一緒にドライブへ行きたいですね」

愛車との思い出・エピソードはありますか?

ミ「2011年の夏にイタリアへ行ったことですね。愛車でアルプス山脈を超えたんです。8月末のベルリンは30℃越え、ところがアルプスは2℃。積雪もしており、急に真冬へ逆戻りという感じでした(笑)山頂で一泊し、翌日イタリアへ到着。そこで当時妊娠していた妻と合流し、一緒にベルリンへ戻りました。リアガラスに貼ってある2枚のステッカーはアルプス越えの証明ですね。愛車への勲章です」

壊れたことはありますか?

ミ「それがこれといって本当に無いんですよ。たまにエンジンがなかなかつかないなぁということはあるんですが、それくらいですね。あえて言うなら、ウインカーがファンキーなところです(笑)モダンカーは12ボルトのところ、クラシックカーは6ボルト。電気が弱くて、ウインカーが通常より点滅するスピードが遅いんです。右折左折する際、たまに危なっかしいんですよ」

車を含め、モノ選びで大切にしている事は何でしょうか?

ミ「セカンドハンド、ユーズドものに惹かれます。バンドの機材も他メンバー含め、気付けばみんなユーズドの機材で揃えていますね。自宅の家具も祖父母から受け継いでいるヴィンテージものです。例えば今着てるこのスウェット、こういう一見意味のないものにも独特の味があって良いんです」

最後にクラシックカーの魅力とは?

ミ「シンプルにルックス、見た目ですね。自分でも楽しめますし、人との会話のきっかけや出会いに繋がるんです。通りで出会った方から愛車のことを尋ねられたり、素敵なフィードバックを頂きます。例えば、イタリアの田舎町をスロードライブしている時に出会った現地の方とお話ししたり、デンマーク旅行中に出会った老夫婦は、若かりし頃同じモデルを所有していたそう。このような、国籍も世代も超えた出会いと交流は、私の人生を素敵に彩ってくれるんです。クラシックカーと音楽は同じ。人と人を繋いでくれる、人生を楽しくしてくれる、そんな存在です」

photograph: Saki Hinatsu

interview: Yukiko Yamane

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