CLASSIC CAR LOVERS OVERSEA
クラシックカーを愛する人々(海外編)

2017.04.06 | Special

volume 05_GIANNI GIUDICI(in Milan)

ジャンニ・ジューディチさん(実業家)
車種 フォード・シエラ・RSコスワース

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「美しいものが大好きで、一度の人生、最大限楽しみたい…だからクラシックカー」

前回のミラノ編で登場していただいた雑誌「ARBITER」編集者のクラウディオ・ジューディチさんが、「実は父は実業家かつ有名なレーサーで、彼もすごいクラシックカーを持っていますよ」ということで、お父様にも至急コンタクトを取って、愛車を拝見することに。父、ジャンニ・ジューディチさんは、敏腕実業家であり、レーシングチームを運営して自身もレーサーとして活躍、また若い頃は広告代理店をやってアートディレクターの仕事をしたり、現在も出版エージェンシーを経営し雑誌の発行人としても活躍するクリエイティブな部分も兼ね備えた、マルチタレントの持ち主。人生をとことん楽しむ粋なラテン男の独特の人生観、そしてクルマ観を語っていただきました。

実業家、レーサー、アートディレクター、雑誌の発行人・・・様々な部分で才能を発揮されていますが、その経緯は?

ジャンニ(以下ジ)「私はね、“アッビアーテグラッソ(ミラノ郊外の街)の暴れん坊”と呼ばれていたんですよ。実家は大金持ちだったのですが、私があまりに悪ガキだから14歳で家から放り出され、それからはなんでもいろんな仕事をやりました(笑)。雑誌を作ったり、広告業をやったり、デザインをしたり…。例えば広告に関しては自分でグラフィックデザイナーもやっていましたし、車のハンドルやシートなどの工業デザインもやりました。雑誌は『GENTLEMAN&DRIVE』、『CAFÉ’ VELOCITA’』という雑誌を発行し、今でも雑誌作りは続けています。そうやって様々なビジネスをしながら、レーサーとして活動し、自分のレーシングチーム「SCUDERIA GIUDICI」を作って運営しています。レーサーとしてはイタリアン・ツーリングカー・チャンピオンシップに始まり、F3000やFIA GT チャンピオンシップなどこれまで300のレースで勝利してきたんですよ」

レーサー、ビジネスマン、そしてクリエーター…様々な分野でマルチに活躍する秘訣はなんなのでしょうか?

ジ「私は美しいものが大好きなんですよ。美しいクルマ、美しい物、そして美しい女性…(笑)。自分の好きなことのためなら360°なんでもやれるんです。一度きりの人生ですから好きなことをして楽しんで生きなくてはダメだと思っています。そして自分自身が人生の主役でなければ、生きている意味がないじゃないですか。私にとってデザインやクリエイションは自分の大好きな美しい物を作るための活動です。そして常によくなりたい、よいものを作りたいという欲求からいろんなことをやってこられたのだと思います」

数々のクルマに乗ってきて、またレーシングチームではたくさんのクルマを有する中で、特にこのクルマが気に入っているわけは何ですか?

ジ「高くていいクルマというのは、いくらでもあります。でもシエラ・RSコスワースがすごいのは、安いのに他のラリー車よりすごい走りをすることですね。一般のディーラーから買ったものなのに、ラリーやサーキットレースでも勝てるようなクルマでした。とにかくコスワースのエンジンがいい。このエンジンがあまりにも好きなので、エンジンをモチーフにしたネックレスを今も肌身離さず身に着けています。これは確か5000台ぐらいしかないクルマで、その希少価値の高さも魅力です。私はこのクルマを他にも5~6台持っていたのですが、これ以外はみんな売ってしまいました。今では本当に残念なことをしたと思っていて、その分このクルマを大事にしています」

一方、内装についてはどうですか?

ジ「インテリアは全面的にカスタマイズして、リビングのようなゴージャスな雰囲気にしました。シートをとって、革張りのソファのような感じにしたんです。こんな素敵なインテリアのクルマですから女性からの受けもかなり良くて、デートの思い出もいろいろありますよ(笑)。そして取り外したシートはオフィス用の椅子としてリフォームして今も使っていますよ。何も無駄にしないのがモットーですから、豚と同じでね(豚は肉も骨も蹄もすべての部分を調理に使う、の意)」

ずばり、クラシックカーの魅力は何ですか?

ジ「クラシックカーに乗っていると、その当時のエモーションがよみがえってくるような気分になれるところですね。でもそれはその時代に思い出がある者にだけでなく、たとえその時代を生きていない、例えば20代の若者にも同様の興奮を与えると思います。そして結局のところ、昔のクルマのほうが早いんですよ。気長に直してきちんと使っていけば、いつまでも早く走る、それが昔のクルマのすごいところなんです」

photograph : Stefano Triulzi
interview : Miki Tanaka

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