CLASSIC CAR LOVERS
クラシックカーを愛する人々

2017.04.10 | Special

volume 10_Takashi Enomoto

榎本高士さん(ROUGH AND RUGGEDデザイナー)
車種_GMC パネルトラック ハイドラマティック バン(’ 53年式)

Like
Tweet
Line

「クオリティーが高ければ時が経っても色褪せずカッコいい。
これはクラシックカーもモノ作りも同じ」

クラシックカー・ラバーズ vol.7で登場して頂いた清水スタイリストさんのご友人として紹介頂いたファッションブランド〈ROUGH AND RUGGED〉のデザイナー、榎本さん。「スタイリストの清水さんは仕事でよくうちの服をリースしてくれますし、プライベートでも仲が良く、彼が乗っているGMCのペインターさんを紹介したり」。愛車は無骨でクールな「’ 53年式 GMC パネルトラック ハイドラマティック バン」。その生き方、もの選びへの信念とは?

〈ROUGH AND RUGGED〉のデザイナーとして活動されていますが、
ブランドを始めたきっかけは何でしょうか?

榎本氏(以下榎)「元々、僕はサーフボードビルダーをやっていて、サーフボードを作っていました。その頃、ショップのオリジナルで無地のTシャツにデザインをプリントしたり、キャップを作っていて。これを欲しい方にあげたり売ったりしていたのですが、それが結構評判が良く、お店を出すことにしました。ただ、作る服の種類も増えて行き、同時にサーフボードも作るとなると作業量も多く、やはりモノを絞ってクオリティーが高いものを作りたいと思い、2010年くらいにブランドを立ち上げました」

サーフィン歴はどのくらいでしょうか?

榎「19年くらいです。地元が東京なので車を持ってから。今も定期的にやっていて、湘南が多いです。昔、鎌倉にも住んでいたことがあり馴染みもあるので」

では〈ROUGH AND RUGGED〉で目指しているものは何でしょうか?

榎「特に軸となっているのはミリタリーです。そこに自分のバックボーンにあるカルチャー・・・サーフィンやモーターサイクル、アウトドア、音楽などのエッセンスを融合させています。例えば僕はバイクも好きなんですが、モーターサイクルは身一つで乗るので洋服が機能的であったり、プロテクトしなければならなかったりしますが、そういったディテールをデザインに落とし込んでいます」

デザインをする時に最も大切にしていることは何でしょうか?

榎「クオリティーです。世の中、見た目が良い服はいくらでもありますが、表面上は同じに見えても素材や機能、パターンにこだわりがあるものは、やはり本物感が違います。こだわるところは沢山あり、それを全部含めてクオリティーだと思っていて、そこを妥協しないことを大切にしているかな。世界の第一線で活躍している先輩デザイナーさんたちは多くの型を作っていますが、一つのモノをうちのモノと見比べてもらえたら、うちの方がむしろこだわっている部分もあったりします。これはサーフボードを作り始めた頃からずっと同じ気持ちで、1から10まで全部自分で作っているのですが、一切妥協したくないって思っていて。“デザイン”というより“モノづくり”の感覚です」

納得がいくものしか世の中に出したくない。上質な分、長く愛していけるんですね?

榎「そうですね、コストは世の中的には多少かかりますが、その分『いいものです』と言い切りたいです。自分のモノ選びもそうですが、ずっと着られるもの」

一時的な流行とは違うもの、ですね。

榎「もちろん、流行にもアンテナをはっていますが、そこに惑わされずに自分は普遍的な常に変わらないカッコ良さを追いかけています。それが分かってくれる方に着てもらえたら」

それでは愛車についてお聞きできれば。
クラシックカーに興味を持たれたのはいつ頃でしょうか?

榎「中学生くらいですね。その時見ていた映画に影響されて。『アウトサイダー』など好きで’70sのものなのでクラシックカーが出ていてかっこ良くて」

トラック型ですが、これを選ばれた理由は何でしょうか?

榎「昔『シボレー・エルカミーノ』に乗っていて、前回はこれと近しい形の『シェビー C3100』に乗っていて、気に入っていたのですが、また見つけたので。グリル周りが少し違いますが。あと理由といえば、この車に乗っている人、あまりいないので」

外装で気に入っているところはどこでしょうか?

榎「フロントグリルまわりです。今の時代にはないデカい存在感…というか無駄な形(笑)。全部がスマートな今の世の中、トラックはあまり必要とされていないですし、人も多く乗れない。でも、その今の時代にとってマイナスな部分に惹かれます。ボンネットを開けるとエンジンもスカスカですし(笑)。ただ50年代当時は最先端。時代が違えど今もカッコイイ」

このドア横のライトは何でしょうか?

榎「サーチライトです。このフォルムは珍しいですよ。付いていても使いようがないので、切っていますが」

内装で好きなところは?

榎「メーターダッシュのあたりです。これはやっぱりカッコイイ。機能面での問題はなく、インジェクションにもなっていますし、エアコンもちゃんとつきます」

乗り心地はいかがでしょうか?

榎「最高ですよ。名古屋にサーフボードを削りにこの車で行ったりしますが、問題ないです。『アメ車は壊れやすい』という固定観念がありますが、関係なくガンガン乗ります。この車を扱っているお店に信頼している整備士がいて、彼が触ったものは壊れない。絶対的に信頼しています」

トラックの荷台には何を乗せることが多いですか?

榎「モトクロスをやっていますが、川越にコースがあるので、そこまでバイクを乗せて走ったり。モトクロスのバイクなら2台は乗ります。あとはサーフボードや仕事の洋服が多いですね」

では、クラシックカーと服作りとの共通点は何かありますか?

榎「質が良ければ時が経っても色褪せないということです。SS、AWで年間通して洋服を作っていますが、今年買ったジャケットを来年着れないっていうのは作りたくなくて。ずっと着続けてくれたらと思いますし、少し値が張ったとして『今年買ったから来年買えない』という方でも、それでも長く着るということで納得して頂けるような、凌駕したモノを作れたらと思っています。クラシックカーや古着屋が成立するように、時が経っても成立するもの。僕の車も60年以上前のものなのに色褪せないカッコよさがあります。何年経ってもカッコイイものを作っていきたい。これはサーフボード作りも一緒ですね」

最後に、今後どういう大人になっていきたいですか?

榎「今やっていることをおじいさんになっても続けていられたらと思います。また、僕はクラシックカーだけじゃなく、新しい車も嫌いじゃなくて、スピードが出るのが好きなんで『ポルシェ』も欲しいなと思っています。このパネルトラックで無理にスピードを出すのも好きですが、違う次元のスピードがあると思うので。クラシックカーと同時にそういうものも追いかけていきたいです。50歳、60歳になってスピードを出すのが怖いって思わず、常にアグレッシブでありたい。これはサーフィンやサーキットも同じです。60歳超えてもやっていたいです。僕の先輩たちはみんなやっていますし、そういう大人、カッコイイと思います」

HP: roughandrugged.jp
photograph:Taku Amano
edit:Takafumi Matsushita

Like
Tweet
Line
Facebook Twitter Instagram