CLASSIC CAR LOVERS
クラシックカーを愛する人々

2017.06.16 | Special

volume 14_MASASHI SHO

庄 将司さん(スタイリスト)
車種_BMW アルピナ B6 2.8/2(‘94年式)

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「自分で操作している感。“クラシックカーに自分が乗る”のが魅力」

スタイリストとしてメンズファッション雑誌をはじめ活躍している庄さん。「BMW アルピナ B6 2.8/2」に乗っていると聞きつけて、伺ってきました。「最後のアルピナと言われていて、手作り感が良いんです」と庄さん。ライフスタイルやこの愛車について語ってもらいました。

庄さんはスタイリストとしてメンズファッション雑誌などで活躍されていますが、目指されたきかっけは何でしょうか?

庄氏(以下庄)「中学生の時メンズファッション雑誌『Huge』が好きだったので、漠然とファッション関係の仕事したいなあと思っていました。高校生になって、バイヤーの仕事を知って世界を飛び回れたらカッコいいなと思っていて、じゃあ英語を勉強しなきゃと思って。ほとんど大学とかには行かないような私立高校だったんですが、猛勉強して3年生の1年間で偏差値を30上げて大学に受かりました(笑)。学校も「5年に1度レベルが出た」とか言って…ビリギャル的な感じですね(笑)。大学時代はサークルに明け暮れたのですが、一つのことに集中してやりたいタイプなのでバイトなんかもやっていなくて。大学4年の就職活動で繊維業界に行こうかと思って面接受けていたのですが、どこも受からなくて。そんな時に「将来得意なことで勝負しろっ」てある人に言われた言葉が心に残って。それで、やっぱり服が好きなんでスタイリストのアシスタントになろうと。それで「UOMO」や「メンズノンノ」をやっていた甲斐弘之さんの弟子になりました」

スタイリストアシスタントをやって最も学んだことは?

庄「仕事の姿勢ですね、仕事を絶対断らない甲斐さんの姿勢。当時、年齢も重ねていてキャリアもある大御所でしたが、そういう方は芸能人やミュージシャンなどを起用する広告の仕事をメインにされている方が多いと思うのですが、甲斐さんは雑誌の仕事がメイン。もちろん、少し広告のお仕事もしていましたが、ホント、ファッションや雑誌が好きなんだなあ、ずっと最前線でやりたいんだなあと。職人気質で、忙しくてもギリギリまで良い作品を作ろうと、諦めない感じでした。そこは学ばせて頂いてとても良かったと思っています」

では現在スタイリングで大切にしていることは何でしょうか?

庄「これも甲斐さんから学んだんですが『この人らしいな』ってこと。スタイリングする相手が似合う服をスタイリングすること。当たり前じゃんって思うかもしれないんですが、この基本が意外と忘れがちで。雑誌など企画があってそれにあうものを合わせたり、モデルも服を見せるための仕事だったりもするのですが、ただ大前提としては『着る人』のことを考えてスタイリングします。でもそれがスタイリングの本質だと思いますし、時代のトレンドが変わっても必要とされるスタイリストになると思うんです。例えば、流行としてストリートファッションがあったとして、そればかりやっていたら時代が変わっていきなりモードになったら対応できなくなったりとか。なのでその基本や本質をいつも頭においてやっています」

将来こういうスタイリストになりたいというイメージはありますか?

庄「とにかく一番になりたい。上に沢山の先輩スタイリストさんたちがいますが、なぎ倒してでも上に登りたいです。師匠をいつか超えたいというのもあるのですが、まずは目標として今年独立したばかりなので、地に足をつけ認知度を増やしたいです。また最終目標としては、単にスタイリストではなく撮影をトータルで見れるディレクションをやれるようになりたいと思っています。それらができる大御所のスタイリストさん達も数人いらっしゃいますが、その辺ぶち抜いてやる!と思っていますね」

では愛車についてお聞きしていきたいのですが「BMWアルピナB6 2.8/2」を選ばれたのは?

庄「この年代はネオクラシックで、野暮ったいといいますかデザインで言うと今の時代からみたらちょっとダサいと思うんです。でもそこが好きで。’70年〜’80年代の箱型もカッコいいと思いますし、誰もがどちらかというとそっちの方がカッコいいと思う車なんだろうと思うんですが、現行車とクラシックの丁度中間の入り乱れている感じが好きです。選んだ一番の理由は、僕にとっての『BMW』といえばこれだったんです。’93年生まれで今24歳なんですが、僕の年代からするとE30系とかその前とかだと時代感が感覚的にピンとこないところがあって、自分が生まれて5歳とかそのくらいまではこの『BMW E36系』だったのもありグッとくるんです」

もともと車自体が好きだったんですか?

庄「はい。中学くらいから好きでウェブだったりドイツのカー雑誌『ル・ボラン』など読んでいて。VIPカーみたいなのが好きで、そこから外車思考になってきて『アウディ TT』に乗りたいとか『ベントレーコンチネンタルGT』に乗りたいとか言ってましたね。ただ18歳で免許をとってからまず買ったのは『ゴルフ カブリオレ』。クラシックカーというより、ドイツ車っていうのにこだわってエントリーカーとして選びました。元々、BMWはスポーツセダンなイメージがあり『伝統の直6に乗りたい』と思っており、またその中でも速い車が好きなので、メカチューニングされているアルピナのモデルを2台目として選びました」

内装で気に入っているところはどこでしょうか?

庄「やっぱりMOMOのステアリングとレカロシートです。当時アルピナがMOMOとレカロという高級サプライヤーに発注した特注品。あとはレカロシートで、この年代ですがパワーシートなんです。シートの三本線も好きで、今っぽくないっていうか。デコラインのところも逆にダサくて好きなんですよ。ちなみにこれは限定136台中の1台。世界限定で「最後のアルピナ」って言われていて、手作りで作ってた頃の後期の1台なんです。次に出てくる同じ型の『B3 3.2』っていうのはまるっきり仕様が違う。このアルピナは全部手作りなのでそこもグッときますね。カスタマイズは一切やっておらず純正品です。」

乗り心地はいかがでしょうか?

庄「良くないです(笑)。平坦な道はいいですよ。サーキットとかなら吸い着くように走りますし、高速でもそうですし。ただ普通の一般道ってゴツゴツしてるから乗り心地悪い。サスも思った以上に硬くて。。ただ個人的には正直この車にしたからって特に乗り心地悪いなって感じてはいないです。昔からそういうものしか乗って来なかったので。でもアルピナに求めたのはスポーツカーと日常使いの中間だと思うのでそこは問題ないです」

外装で好きなところはどこでしょうか?

庄「車高が低い車が好きなんですよ、スポーツカーの方が。特に好きなのは二本のマフラーとアルピナの20本スポークのアルミホイールです。アルピナの伝統かなって。あとこの時代の若干フェンダーが出ている感じも好きです」

走っていて好きな道はありますか?

庄「埼玉の飯能市から秩父に抜ける一本道があってそこの峠道が好きですね。基本細い道が好きです。あと首都高も好きですね。現代の車と比べて好きなのは操作性です。今の車は電子制御ばっかりでハンドルも軽かったりもするんですけど、やっぱりこの車もパワステの癖に、ハンドル重いですし。あとはある意味でもたつく感じがいいのかなって思います。今の車ってスーチャーとかターボ、過給機つけてるので乗り出しはスムーズじゃないですか? それがないのも好きですね」

サイズ感はいかがでしょうか?

庄「今の3シリーズって3ナンバーサイズなんですけど、この時は5ナンバーサイズなんですよ。サイズ感も小さいのが良いところです。このくらいが丁度気持ち良い」

アルピナならではのエピソードありますか?

庄「スタイリストの方によく「何この車!」って。「渋かっこいいね!」とか言われます(笑)。がっつりフロントのスポイヤーとかも付いてるしデコラインも入っちゃってるし、若干リアウィング付いてるじゃないですか。ツッコミどころは多いですよ。まずこの車を知らない人は純正じゃなくて僕が付けてるって思ってます。自分でいじるはあまりいいなって思わないです」

不便だけど愛しているところは?

庄「車高ですね。車高は低いのが好きなんですよ。ただ良く擦りますし、あと機械式の駐車場で前駐車がフロントが壊れるのでできないです。サイズはいけるんですけど。また走行中でも、麻布とかでエゲツない坂があって、そことかどう行ってもも擦りますから。交差点ですよ? でも車高が低い方が外装がカッコいいと思っていて。タイヤとフェンダーの間が空いてると違和感感じるんですよ。それってカタログとかも車を良く見せるために車高下げたりしているし、やはり見え方は良く見える気がしますね。」

では最後にクラシックカーの魅力とは?

庄「操れるところ。今の車ってどうしても自分が運転してるとは思えないので、そこです。ハンドルだって重いですし、何をやるにも不便なんですが、だからこそいいんじゃないかと思います。クラシックカーを見かけがカッコイイのは当たり前で、見かけよりもこっちは中にいる方が長いので、いかに自分が運転していて楽しいか。「自分でやってる感」が良いのだと思います。不便だからこそ自分でやらなきゃいけないし、それが「車に乗られてない」ってことだと思います。「クラシックカーに自分が乗る」っていう。車に乗られない。それに尽きますね」

Photograph:Taku Amano
Edit & Interview:Tuna

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