【PR】合同会社 AUTOMOBILE COUNCIL実行委員会

「何より楽しく、最高にオシャレ。陽気なイタリア車の魅力。」

憧れのヘリテージカー。実際購入するにあたり、選び方や知っておきたいことを、専門家に指南してもらう新企画。それぞれのクルマの歴史や他にはない特徴などにもお答え。一緒に、玄人が唸る希少なクルマも教えてもらいました。

11回目となる今回は、イタリア車のみを扱うワールドヴィンテージカーズ。陽気なイタリア人によるアーティスティックな車作りの魅力を教わります。



まず最初にワールドヴィンテージカーズさんはどのような車を扱っているのですか?

橋本氏(以下H)「基本的には60年代から70年代までのイタリア車になります。元々の母体がフィアット・アルファロメオ・アバルトのディーラーとして41年間やっている会社になるんですけれども、やはりそれぞれ100年以上続いているブランドになるので、歴代のモデルをご紹介をしたいなっていう想いです。また、個人的にクラシックな車が大好きなので、趣味と実益を兼ねてというところもあるんです」

それぞれのメーカーは、イタリアではどのような扱いの車になるのでしょうか?

H「フィアットというと、イタリアで最も大きなメーカーで“国民的な日常の足”というイメージになります。アルファロメオというのはフェラーリよりも古くからスポーツカーの歴史を持つメーカーでして“スポーツカー=アルファロメオ”というイメージですね。ランチアも当社は仕入れていますが、このランチアというメーカーは、フィアットやアルファロメオの車作りとまた違って、革新的な構造を常に探し出しているメーカーです。あまりにこだわった車作りをしすぎたために69年ぐらいにフィアットに吸収合併されてしまったんですが、機械が好きで野心的な車が好きな方は選ばれることが多いです」

他の国と比べて、イタリア車にはざっくりと特徴みたいなものはあるんでしょうか?

H「一言で言うと、官能的っていうんですかね。例えば、ドイツ車などは工業製品としてのトップクラスの作りを目指しているので、非常に精密で日本車に近いイメージなんですけれども、イタリア人っていうのはどちらかというと五感に訴えかけるものと言いましょうか、食事でもデザインでもファッションでも、目に入ってくる、聞こえる、味わえるといったものに対しての貪欲さが、多分世界で一番秀でた国だと僕は思うんです。そういう人たちが作っている車なので、デザインは当然妥協せず、尚且つ走らせても単純に速いだけではなくて、操舵感がクイックだったり、エンジン音や排気音の入り方などで運転手の五感を刺激して盛り上げてくれるような、そんな官能的な車が多いんですね」

運転を楽しめる、しかもかっこよく。という事ですね?

H「そうです。アクセルを踏んだ時に、踏んだ分だけエンジン音が高まって…当たり前の事なんですけど、イタリア車はこういった演出が非常に巧いんです。自分が操縦してる、自分が運転してるっていうのをはっきりと意識させてくる、ドライバーありきの車作り。僕的には非常に魅力的ですね」

では、今日展示している中でこれから初めてクラシックカーを買おうと気になっている人たちにオススメできる一台は、どちらになりますか?

H「あえて選ぶとすると、こちらのFIATチンクエチェントになりますね。500をイタリア語読みでチンクエチェントと言います。日本ではルパン三世に登場したのがきっかけで有名になりましたよね。初めてにも、最後の車としても選んで頂ける車なんですけど、イタリアで一番国民の足として使われていた車になります。非常にクラシックな雰囲気を楽しめる、いわゆる原点のような車なんですよ。非常に構造も単純で値段も安く、非常に長く愛されている車ですね」

これは何年の車になるんですか?

H「こちらは72年のモデルになりますね。一番最初が57年だったかと思いますが、イタリアも日本と同じ戦争に負けた国なので、50年代は戦後の復興の時期なんです。なので、鉄が少なく車にしても当然贅沢品扱いで、ほとんどの人が持てなかったんですね。ですから国民の足というと皆、バイクのベスパだったんですよ。ローマの休日に出てくるような。時がたつに連れ何とか国民に安価な、なおかつ家族4人がちゃんと乗れる車が求められて、作られたのがこの車です。この車も流線型になっているのですが、流線型であるメリットは少ない鉄を最大限伸ばしながら作れることです。材料不足の時にいかに丸く、鉄を上手に少なく使うかという事と、丸いことで同時に広いスペースを生む事もできる、非常に良く考えられている車なんです」

この車の特にオススメな所だったり、機能的なところはありますか?

H「特徴的なところはやっぱりキャンバストップ。一つは通気性のためでもあるんですけれども、もう一つの理由としましては、この車はリアにエンジンがありまして、リアシートの裏に空冷エンジンと言いまして、エンジンを空気で冷すという原始的なエンジンが積まれているのですが、そうするとエンジン音がうるさいんです。今の水冷エンジンだと、水の通るところがクッションになって静かなんですが、空冷の場合はそれがないので音が非常にうるさい。その音を逃がすためのものでもあるんです。それとイタリア人はとにかく太陽光を浴びていたいという陽気な人達が多いですから、オープンエアーが好きでして、それも理由のひとつでしょうね(笑)」

デザイン面ではどうでしょうか?

H「とにかく色も見た目も可愛いですよね。この車がFIAT500の“L”というグレードになるんですけれども、このLは高級という意味のルッソから取っているんですが、例えばアクセントでこういったメッキのバンパーが付いていたり、元々布のシートがレザーのシートになっていたりと、ところどころ質感が上げられているところが、アクセントとして効いていると思います」

女性の方にもこの可愛いルックスは人気だと思うんですけれど…運転はしやすいでしょうか?

H「乗りやすいかと聞かれるとあんまり、なのが正直な所です。マニュアルですし、不慣れな方には乗りにくいかもしれないですけど、それでも楽しい車ですよね。これだけサイズが小さいと、都内でもどこでも入りますし。トコトコ走る感じとか、全く速い訳ではないですが、こういう車に乗っていると、こだわりを感じてもらえますよね」

初めての人がクラシックカーを選ぶとき、まず心配されるのが故障だと思うんですが、万が一の場合、部品とかは大丈夫なんでしょうか?

H「いくらでもありますよ。国内にもありますが、イタリアにはうなるほどあります。老若男女問わず未だに乗られ続けていますから。壊れても構造が単純なので、修理もしやすいです。クラシックカー初めての方でも、操作方法や日々のメンテナンス方法まで、しっかりとレクチャーさせていただきます」

それは安心ですね!では次に、ツウな車好きも唸らせる、魅力的な一台を教えてください。

H「こちらのアルファロメオの、ジュリエッタスパイダーですね。これは1960年頭の車で、56年から61年まで、5年間しか作られてない車になります。元々アルファロメオというのは貴族が乗る車なので、ベースのモデルをメーカーが提供して、それをカロッツェリアというボディを作る工房に持ち込んで、自分でボディを依頼して、アルミで一台一台作ったボディを架装して納車するんですよ。いわゆるオーダーメイドという形ですから、もうとてつもない高級品だったんですよ」

すごいですね!車をオーダーメイドするんですね。

H「そうです。それから徐々に『一般的な庶民の手にも届く手軽なスポーツカーを』ということで作られたのがジュリエッタ。そこにピニンファリーナというカロッツェリアが、オープンボディーをデザインして、量産品として作られたのがこのジュリエッタスパイダー。大分庶民の手も近づいた最初のオープンカーですね。と言いましても、今の価格でいうと数千万くらいで、まだまだ高かったんですけれどね」

では、この車の魅力的なポイントを教えて頂けますか?

H「これも全体的に丸みのあるボディデザインなんですが、このお尻がキュッと締まったコンパクトなデザインや、キリッとしたメッキのヒゲ。この辺は特徴的ですよね。うちでも何台か販売してますけど購入された方はまず手放さないですね。イタリア車のキーポイントの一つに“軽快感”というのがあるんですけれど、排気量も小さくて、ボディサイズもコンパクトでとにかく元気に、きびきびと走ってくれる。乗っていて非常に楽しい素敵な車だと思います」

では、ヘリテージカーは機能的なところで現行の車より劣ってしまう部分も多いと思いますが、それでもヘリテージカーをオススメする理由は何でしょうか?

H「やはり昔は今よりも自由に、各メーカーが自分たちの作りたい車を一生懸命作っていた時代なんですね。ですから製造方法にも手作りの部分が多いですし、その分味があるんです。ところが今の車は、もちろん各メーカーそれぞれ競争はしてますけれども、車作りの基準、衝突安全基準や排ガス基準とか、良い事ではありますが基準ばかりが先行してしまい、デザインとか、メーカーがやりたいことが圧迫されてしまっているんですね。ですから機能面で言いますと、どのブランドも個性が少なくなっていて選ぶ側も特徴を掴みづらく、愛着も持ちづらいと思います。やっぱりそういうところで育っている今の若い方達にこそあえて個性のあるヘリテージカーを選ぶことで、自己表現の一つとしても非常に有効ですし、自分だけの、自分らしいチョイスをして欲しいと思います。あともう一つは、こういう古い車は壊れても直せるんですよ。しかしながら現代の車は大半がコンピューターで制御していて、壊れても最終的には直せない事もあります。車に限らず、古いモノの良さというのはやはり愛着が持てて、尚且つ手入れをすれば永く使える所ですよね。数年おきにエコカーと呼ばれる車に乗り換えるよりも、こちらの方がよっぽど環境に優しく、経済的で究極のエコだと思いますよ」

最後になりますが、このAutomobile Councilというイベントへの想いをお聞かせください。

H「私たちは広島でお店を構えていますので、お話をしたくても広島まで来ていただくのはなかなか大変ですから、こういったイベントを通して来場された方と直接様々なお話ができるのは本当に貴重な機会ですし、全国から参加されている他の車屋さんも多く大変刺激になりますから、こういった機会を設けて頂けるのは本当に有難いですね」

Photograph:Taku Amano
Edit & interview::Tuna
Text:Chihiro Watanabe

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ワールドヴィンテージカーズ

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