1台目は53年型356カブリオレ。前年にポルシェ正規輸入代理店となった三和自動車が初めて輸入に踏み切った2台のうちの1台です。中央が湾曲したV型スクリーンのウインドシールドを持つ、いわゆるプリAと呼ばれるモデル。50年代初頭でありながら、わずか1.3リッターの排気量にもかかわらず最高速が144km/hに達するという、当時の日本車では考えられない高性能を実現していました。

もう1台はポルシェ・カレラGTS。一般的にはコードナンバー904と呼ばれることが多いレーシングスポーツです。64年の第2回日本グランプリにドイツから突如飛来。予選走行中にクラッシュしたにもかかわらず、手負いの状態で出走した決勝レースで快勝。そのウイニングマシーンをそのもが展示されます。

1950年代から60年代にかけて、まだまだ発展途上にあった日本車に、世界一流の実力を教えた“黒船”の凜とした姿をご堪能ください。