「“軽量”これに勝るチューニング、他になし!」

憧れのヘリテージカー。実際購入するにあたり、選び方や知っておきたいことを、専門家に指南してもらう新企画。それぞれのクルマの歴史や他にはない特徴などにもお答え。一緒に、玄人が唸る希少なクルマも教えてもらいました。

15回目となる今回は、イギリス車専門のA.C MINDSさん。未だに根強い人気を誇るブリティッシュライトウエイトスポーツカーというジャンル。軽量に勝るチューニングは無いと語る社長の坂田さんに、魅力をお聞きします。



AC MINDSさんはどのような車を扱っているのでしょうか?

坂田氏(以下S)「イギリスのライトウエイトスポーツカー全般を扱っています。ロータス、ケータハム、モーガン、BAC MONOなどのディーラーを行っています。年代的に言うと1928年くらいから現在までの車を扱っています」

イギリスのライトウエイトスポーツカーというと、ロータスが有名ですよね。

S「そうですね、ロータスもケータハムも、世界中で本当に車が好きな人達から愛されているメーカーです。扱っている中でも、BCA MONOは日本で唯一独自で輸入していますので、うちでしか売っていない車になるんですけれども、中身はほとんどレーシングカーのようなもの。イギリス車は、こういった趣味性が高い車が非常に多いですね」

では、今日展示している中でヘリテージカーを今から買いたい!というビギナーの方に向けた一台を教えてください。

S「うちの車は全部マニアックなので少々難しいですけれども…(笑)。買いやすい物ですと、Austin Healey Sprite Mk1になりますね」

これはどういった車になるんですか?

S「これは1958年頃から作られている車で、かつてイギリスに存在したオースチンというメーカーの車です。この愛くるしいルックスから、〝カニ目〞という愛称で親しまれています。十数年の間、生産されてきたので、比較的生産台数も多く、値段も爆発的に高騰することはなかったですね」

特に外装でオススメのポイントは?

S「とにかくこの可愛らしい顔ですよね。年式的にはかなり古い車ではあるんですけれど、クラシカルなデザインの中に、曲線的なモダンさがとても上手く掛け合わさっていると思います。凄く雰囲気が出ているといいますか、バンパーやホイール・ミラーなど、ところどころで光るメッキが施されていて、カッコいいですよね」

赤い幌に赤い内装!オシャレですね!

S「目立つ色使いではありますが、嫌みが無くてキマってますね。オープンカーというのも魅力ですが、やはりこのサイズ感もポイント。日本でいうと軽自動車くらいの大きさです。便利で実用的かつ機能的なもの…走りに関係の無いものは何もありません。動くのに最低限のものしか無い。そして、とても軽くできています。古い時代のスポーツカーですから、当然パワーがあって早いわけではないですが、二人乗って走るのには十分なパワーと、持ち前の軽さでキビキビ走ってくれる。楽しい車ですよ」

なるほど! では次は、ツウな車好きも唸らせる…そんな魅力的な一台を教えてください。

S「玄人向け、となるとやっぱりこれですね。BAC NOMOと言います」

この車は、どういった車になりますか?

S「イギリスのBAC社が開発したMONOという車です。MONOと言ってオンリーワンという意味合いなんですが、もうほとんどフォーミュラーカーにカウルを被せただけのような、大変スパルタンな車になっています。当然のようにシートは一つしかありませんし、車両重量も580kgと非常に軽量です」

当然のように屋根なんかも無いんですね!

S「屋根も窓もありませんよ。本当にレーシングカーそのものです。これは2017年の車両で、2300ccと2500ccの2種類あるうち、前者のエンジンを搭載していますが、それでも非常にパワフル。車両全体がカーボンで作られていて、とにかくめちゃくちゃ軽く、速いです。〝軽さに勝るチューニングは無い″という事を実感できます。このままサーキットに行っても、ガンガン楽しめます!」

綺麗なボディラインですね?

「タイヤが剥き出しだと乗用車としては認められないので、フォーミュラーカーの骨格に、タイヤが隠れるようなフェンダーとカウルを被せたデザインなんです。なかなか流暢なボディラインでバランスが取れています。後ろから見ると、カウルにぽっかり空洞が開いていたり、隠し切れないフォーミュラーカーの姿が見ることができます」

それでは、クラシックカーに長く乗るにはどうしたら良いのでしょうか?

S「もちろん維持という意味では、壊れたところをしっかりと直す整備をすることが一番なんです。私たちは整備を通してお客さんとのコミュニケーションを保っていくことを大切にしています。車を売るだけならシンプルで楽な事なんです。ですがお客さんに寄り添って『ここを直したい、次はここが危ないですよ』なんてコミュニケーションを取り続ける事が一番大切なことだと思っています。長く乗って頂きたいからこそ、お客さんも私たち整備側も、車の状況をお互いに把握しておくことが大事なんです」

機能性だけでいうと今の車に劣る面も多いと思います。それでもヘリテージカーを選ぶ理由は何でしょうか?

S「現代の車は当然便利にできていて、道具としては最高ですよね。とにかく便利で性能が高い車もたくさんある訳ですが、やはりどこか車との距離感が遠く感じます。それは電子デバイス、電子制御が介入してくる事が原因なんですが、古い車はほとんどがアナログな機械式なので、様々なインフォメーションが直接五感に伝わってくる。それゆえに車との距離が近いんです。メカニカル的にも、ほとんど電気でブラックボックス化されている現代車よりも、全然いじりがいがありますね」

最後になりますが、このAutomobile Councilへの想いをお聞かせください。

S「日本には、モーターショーなど新しい車を展示するイベントはありますが、こういったヘリテージカーなんかに注目するイベントは珍しいですよね。日本でもこういうイベントが定着していくことを望みますし、永く続けて欲しいなって思っています」

Photograph:Taku Amano
Edit & interview::Tuna
Text:Chihiro Watanabe

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