初回から4年連続で出展しているマツダの今回の展示テーマは、「ロードスター ~30年の物語、そして今~」。1989年の誕生以来世界中で愛され続け、累計生産台数100万台を超えるロードスターの30年にスポットを当てた。出展車両は85年に作られたプロトタイプをはじめ、初代NA型がデビューを飾った89年のシカゴモーターショーに出展され、今回が日本初公開となるコンセプトカーのクラブレーサー、初代NA型、2代目NB型に設定された10周年記念車、3代目NC型の20周年記念車、そしてこの場で日本初披露された現行ND型の30周年記念車という、6台の歴代ロードスターである。

30年記念車は、先ごろシカゴショーで世界初公開されたMX-5ミアータ版とは異なる右ハンドル仕様。リトラクタブルハードトップのRF版も存在するが、そちらは大阪にあるマツダブランドスペース大阪で、幕張メッセと同時にアンベールされるという演出がなされた。

プレスカンファレンスに登壇したデザイン・ブランドスタイル担当常務執行役員の前田育夫氏は、「ロードスターはマツダのものづくりの根底にある人馬一体という思想をもっともわかりやすく体現したモデル。シンプルながら愛着の湧くデザインで、多くの人に走る歓びと所有する歓びを感じてもらえたクルマ。我々の宝であり、ブランドの象徴でもある」と発言。ここまで30年の歴史を支え、育ててくれたファンとメディアへの感謝を述べた。

続いては現行ND型ロードスターの開発主査兼チーフエンジニアである中山 雅氏が登壇。 30周年記念車のレーシングオレンジというボディカラーについて、「30年の感謝と、これからも走る歓びを届けたいという決意を込めて、心が沸き立つような朝焼けをイメージしたスペシャルカラー」と解説。また展示された初代NA型の赤、2代目NB型の青、3代目NC型の白という3色のボディカラーは、1989年のシカゴショーで初披露された3台の初代NA型と同じだそうで、「ブース全体が30年前のデビューへのオマージュになっており、それらを生み出した先人へのリスペクトと、30周年記念車へとつながるロードスターのストーリーを表現している」と紹介した。

登壇者からは幾度となく「30年の感謝」が述べられたが、その言葉のとおり、ブースでは来場者向けの歴代開発者によるトークショーおよび展示解説ツアーを連日実施。好評で毎回満員御礼だった。