Auto Roman

群馬に拠点を構えるAuto Roman、昨年まではエムズバンテックとして出店を続けていた諸井代表による、ヘリテージカーショップ。ない部品は作る、といった徹底したレストアも得意作業の一つで、軽整備からレストアまで、全ての夢のあるヘリテージカーを対象に行っている。今年のラインナップもスーパーなクルマばかり。今回も会場の注目をひと際集めていた。

注目の一台は、リアのコークボトルボディで有名な〝Chevrolet Corvette C3〟。走行距離はたったの3280マイルで、内外装ともにノンレストアのフルオリジナルな超極上個体だ。 驚くべきは最近の動向で、一昨年のAUTOMOBILE COUNCIL 2017で発表されたFerrari 308 Gr.4 が、なんとFIAのテクニカルパスポートの申請を行っているそうだ。これに伴いFIA公認の海外クラシックラリーに参戦を認められることになる。いよいよ、メーカーとしての大きなムーブメントに目が離せない。


 

オートダイレクト

アストンマーティン、ジャガーなどを得意とする、オートダイレクト。取り扱う車両のコンディションには一切の妥協も無く、どれも良コンディションを保つ個体ばかり。仕入れる際のこだわりは〝自分が刺さるクルマ〟ということ。ゆえにアストンマーティン、ジャガーのなかに、ドイツ・イタリアなどのエッジの効いたモデルがラインナップされるのもしばしば。もちろん、コンディションはどれも折り紙付きだ。

今回展示されたのは、〝Aston martin V8 Volante〟内外装はもちろん一級品で、劣化しやすい幌や、下回りなども細かくチェックした上で仕入れた自慢の一台。おしゃれなトラベルバッグのセットは新車時のオプションである貴重な一品なんだだとか。整備簿や取り扱い説明書の類も完品で、新車時のオーダーペーパーまでも大事に残されている。


 

原工房

プジョー・シトロエン・ルノー。フランス車全般を取り扱う原工房。特にプジョーは日本導入時から関係があることもあり、ほとんどすべてのモデルに精通し、その存在はまさしく困った時の駆け込み寺として知られている。今年度も、フランス製オイルメーカー、〝Unil Opal (ユニル オパール)〟と共に参加頂いた。

例年貴重かつこだわりの詰まったヘリテージを持ち込んでくれる原工房が今年選んだクルマは、〝Peugeot 406 Coupe〟。整備には惜しみの無い手間と、コストがかけられており、新品デッドストックの純正マフラーが奢られている。美しいピニンファリーナデザインに淡麗なルガノグリーンよくマッチした、実に上品な一台に仕上がっている。


 

プラネックスカーズ

プラネックスカーズといえば、ポルシェを代表としたさまざまなヘリテージカーの整備・販売にとどまらず、国内外を問わず幅広くレース活動を行っていることも有名。今回は貴重な〝Porsche 930 Speedster〟を会場に持ち込んでいただいた。

この1989年式の〝Porsche 930 Speedster〟はなんと大変貴重な英国向けの右ハンドル仕様。この当時の英国では、まだまだ輸入されるポルシェの台数は少なく、右ハンドルの仕様はごく僅かに留まるのだそう。なおこの個体は、本国であるドイツのポルシェセンターで全機関をレストア済。プラネックスカーズでは、この930型スピードスター以外にも、964型、997型のスピードスターが複数台在庫されているという。その中には新車も含まれるというから驚きだ。


 

KOASPEED

1950~1970年代までのアメリカ車や、空冷ポルシェ全般のレストア・モディファイを得意とするKOASPEED。「クラシックポルシェ用エレクトロエアコンシステム」の開発・販売も行っている。

『ポルシェへの敬意を込めて』という想いの下に作られた〝Porsche 911T〟内外装はドイツ人が好む土と緑のアースカラーをベースに、和のテイストを織り交ぜて丁寧に仕立てられた、センスの光る一台だ。実は機関系も2.2LのNAから、3.3Lのターボエンジンに換装されているのだが、あえて大型のウイングを採用せず、与えたのは本来72・73RSRが持つダックテール。フェンダーもFRPの外付けではなく叩き出しという、全てにおいてこだわりが具現化した一台だ。

 

photograph: Ryousuke Doi
edit & interview: Chihiro Watanabe

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オートダイレクト