フェラーリ288GTO
モデル名末尾のOはOmologataの頭文字。すなわちレースカテゴリーの中でも最も過激なモンスターとして知られるグループBレギュレーションに適合させたのが1984年に登場した288GTOである。コクピット背後に縦置きされる2.88lV8ツインターボは406psを発生。ピニンファリーナ・デザインの美しくも精悍なボディを0-400m:12.7秒、最高速:305km/hに導いた。
フェラーリF40
1987年、フェラーリ創業40周年を記念して開発された過激なミドエンジン・ピュア・スーパース ポーツ。288GTOから受け継いだV8ツインターボは3lにスープアップされ、出力は478psまで増強された。ターボバンに入った際のパワーは強烈のひと言。それを御すにはレーシングドライバー並みのスキルが要求された。カリスマ創業者エンツォが存命中に発売された最後のスペチャーレである。
フェラーリF50
基本コンセプトは路上を走るF1。その基本思想はセンターモノコックがフェラーリ初のフルカーボン・ファイバー製であることからも明らかだ。520psを発揮する4.7lV12自然吸気エンジンは、92年型F1のF92Aから流用し、リアバルクヘッドにリジッドマウントされている。プッシュロッド式インボード・サスペンションを採用する等、徹底的に当時のF1テクノロジー導入を図った。
フェラーリ・エンツォ
フェラーリ中興の祖、ルカ・ディ・モンテゼーモロ時代の2002年に生まれたNAV12ミドエンジンの傑作。軽量高剛性なカーボンをシャシー/ボディに多用するのはF50と同じだが、あまりにスパルタン過ぎた反省から一定の快適性も保たれている。エンツォ用に新開発された65度V12は順次進化を重ね、今も812コンペティツィオーネやプロサングエに搭載される名機。自由自在のハンドリングも大いなる魅力だった。
フェラーリJ50
フェラーリが日本市場進出50年を記念して、日本市場のためだけに10台のみ製作したのがJ50だ。488スパイダーをベースにフラヴィオ・マンゾーニ率いるデザインチームがオリジナルの新意匠に仕立て直した。ワールドプレミアは2016年12月。しかし現代のSF90や296GTBに連なるフェラーリのデザイン・ランゲージがこのJ50から始まったことが窺える、いわばマイルストーン的モデルである。
フェラーリ・モンツァSP1
「このモデルが好きなんだ」50年代のレーシングスポーツ、750モンツァの前を通りかかった際、当時フェラーリ会長を務めていたセルジオ・マルキオンネが言い放ったひと言から生産が決まったのがモンツァSP1である。812スーパーファストをベースにボディを大幅にストリップダウン。エンツォ由来のV12は810psを発する。シングルシーターをSP1、2シーターをSP2と呼ぶ。