昨年に続いて2回目の出展となるマセラティ ジャパン。「Classic Meets Modern and Future」というオートモビルカウンシルのテーマに沿って、今回はマセラティのオープントップモデルの歴史と未来をフィーチャーした。

プレスカンファレンスに登壇した同社代表取締役兼アジアパシフィック地域統括責任者 の木村隆之氏は、こう切り出した。
「マセラティにとって、オープントップカーの存在はきわめて重要です。ロードカー第1号のプロジェクトがオープントップだったことからも、それはよくわかります。レーシングカーをルーツとするマセラティが、軽量、低重心で風を感じるオープントップカーをロードカーに選んだのは、ごく自然なことでした。その後時代とともに、長距離を快適に走るグランドツアラーとしての優れたパフォーマンスはそのままに、美しい、自然と一体化したオープントップのエレガントな走りが求められるようになってきました」

展示されたのは、2台の新旧オープントップモデル。旧いほうは1964年にデビューした「ミストラル スパイダー」。レーシングスポーツ由来の、ダブルイグニッションの3.5リッター直6DOHCエンジンを積んだ希少なクラシックである。

そして新しいほうは、会場で国内初公開された「MC20 チェロ」。2020年にマセラティ・ブランドの再スタートを期したモデルとしてデビューしたミドシップのスーパースポーツである「MC20」に開閉式ガラスルーフを備えたオープントップモデルで、チェロ(Cielo)とはイタリア語で「空」を意味する。

続いて登壇した同社ジェネラルマネージャーの玉木一史氏は、「MC20 チェロ」の特徴について次のように語った。
「オープン化にもかかわらず、MC20 チェロのMC20 クーペに対する重量増はわずか65kgに留まっています。そのためクーペと同様に圧倒的な加速と卓越したハンドリングを誇る、スポーティさと豪華さを完璧に融合したモデルです。とくに強調したいのが、このセグメントとしてはユニークな開閉式ガラスルーフ。ガラスにはエアバスA350にも使われている、高分子分散型液晶技術により、ボタン操作で瞬時に透明からスモークガラスへと変化する最先端のエレクトロクロミック・スマートガラスを採用。また、ルーフの開閉速度は同セグメントでトップレベルの12秒以内を実現しました。こうした最新技術の結集により、コクピット内では多彩な感覚を味わうことができます。スモークでは包み込まれるような、透明では光あふれる感覚。そしてガラスルーフを開ければ外界、風を全身に感じることができます。MC20 チェロは、マセラティの大胆さと無限に続く空を融合した、特別なスカイフィーリングをオーナーにもたらしてくれるのです」

ブースには、1952年に登場したマセラティ初のスパイダーである「A6G 2000」から実車が展示された60年代の「ミストラル スパイダー」や「ギブリ スパイダー」、80年代の「ビトゥルボ スパイダー」、そして2000年代の「マセラティ スパイダー」や「グランカブリオ」を経て「MC20 チェロ」に至るマセラティのオープントップモデルの歴史を紹介したパネルも展示されていた。

展示車両

MC20チェロ
ミストラル スパイダー(3500)