今回が初出展となるマツシマホールディングス。関東圏では聞き慣れない社名だが、京都を中心に滋賀、大阪、奈良、広島でメルセデス・ベンツ、スマート、フォルクスワーゲン、アウディ、BMW、ミニ、マセラティ、ポルシェ、マツダ、スズキという10ブランドの正規ディーラーを展開。クルマ以外にも観光、伝統工芸、アートや食にまつわる事業、そしてBリーグに所属するプロバスケットボールチーム(京都ハンナリーズ)の経営までも行っている企業体である。

「クルマを、文化に。」をスローガンに掲げ、70年近くにわたって新車・中古車の販売およびメンテナンスを行ってきた同社が、新事業として立ち上げたのがクラシックカーの販売、メンテナンスおよびレストア。今回のオートモビルカウンシルへの出展が実質的なキックオフという新事業について、プレスカンファレンスに登壇した同社代表取締役社長の松島一晃氏はこう語った。
「京都周辺のクルマ好きが集う自動車専用道、嵐山高雄パークウェイで定期的に開かれるイベントを見ていると、周辺に多くのクラシックカーが棲息していることがわかります。いっぽうで日本人の持つ、大切なものを『仕舞う』文化から、京都にはガレージや倉庫で眠っているクルマもまだまだあるはず。そうしたクルマを甦らせ、再び京都の街を走らせたいのです」

ブースに展示されたのは、ヤングタイマーと呼ばれる1980〜90年代のモデルを中心とした7台のメルセデス・ベンツ。ファッションアイテムとして若年層にも人気のモデルだが、それらのなかに1台、かなり年季の入ったレストアベースといった風情の1965年220S(W111)が混じっていた。聞けば同社と長年の取引がある企業の先代社長が新車で購入、乗らなくなってからは納屋で眠っていた車両とのこと。2代目である現社長にとっても初めて運転した思い出のあるクルマで、彼の「もう一度乗りたい」という思いに応え、同社でレストアプロジェクトを始動したところという。まさに先の松島氏の言葉を裏付けるサンプルというわけだ。これを含めて初出展ながら、長年の経験から培われた技術とプライド、そして今後への意気込みが伝わってくる展示だった。

展示車両

1987 Mercedes-Benz 300SE(W126)
1995 Mercedes-Benz E320リミテッド (W124)
1990 Mercedes-Benz 300SL (W107)
1995 Mercedes-Benz E320シルバー (W124)
1992 Mercedes-Benz 260E Long (W124)
1965 Mercedes-Benz 220SB (W111)
PUCH G230