1973 Alpine A110 1600SC
60~70年代の自動車黄金期、英国のロータス・エランと共にライトウェイト・スポーツカー双璧をなしていたのがアルピーヌA110だ。バックボーンフレームにFRP製ボディを組み合わせ、ルノー8のサスペンションとエンジンを移植。軽量コンパクトな設計とリアエンジンの強大なトラクションが功を奏し、ラリーで高い戦闘力を発揮した。展示車は1973年型1600SC。サイドドラフトのツインチョーク・ウェバーを2連装、リアサスペンションをダウブルウィッシュボーンに改善したモデルである。同年A110は初代WRC(世界ラリー選手権)マニュファクチュアラー・チャンピオンの栄冠に輝いた。モデルライフが10年以上に渡ったことからも想像がつくように、A110は多くの改良とモデルバリエーションの追加を繰り返したが、新型が生まれ変わる際に具体的なターゲットに定めたのがこの1600SCだったことはあまり知られていない。
2018 Alpine A110 Première Edition
1977年を最後に生産が打ち切られたA110の名を40年ぶりに蘇らせたのがこのプルミエール・エディションだ。アルピーヌの創設年にちなみ1955台が生産される限定モデルで、日本には50台が輸入される。価格は790万円。1.8・直噴ターボは252ps(185kW)/320Nm)を発揮。現代の標準に照らせば圧倒的に軽い1110kgの車重を実現した2ドア・ベルリネットのコンパクトなボディを、0ー100km/h:4.5秒で加速させる俊足を誇る。オリジナルがリアエンジンであるのに対し、新型は横置きミドエンジン。ギアボックスは7段DCTのみが組み合わされるが、それゆえ大型ディフューザーが採用できる等、ダイナミクスは驚異的なレベルに達している。
ちなみにこのプリミエール・エディションは完売。しかし近日中に「ピュア」「レジェンド」と呼ばれる2種類のカタログモデルがラインナップされる。