2016年の初回、そして昨年の第4回に続いて3度目の出展となるMcLaren Automotive Asia Pte Ltd.。出展車両は約1年前に国内販売が開始された「McLaren GT」と、今回がジャパン・プレミア(日本初公開)となるロードゴーイングレーシングカーの「McLaren 620R」の2台である。
プレスカンファレンスには、McLaren Automotive Asia Pte Ltd.日本支社代表の正本嘉宏氏が登壇。1967年にF1、ルマン24時間で優勝経験のあるドライバーだったブルース・マクラーレンがレーシングカー・コンストラクターとして名乗りを上げて以来、半世紀以上の歴史を持つMcLarenのモータースポーツ・ヒストリーにからめて「McLaren 620R」を紹介した。
「McLarenのモータースポーツというと、みなさんが真っ先に頭に浮かべるのはF1でしょう。1988年に16戦15勝という前代未聞の圧倒的な成績でチャンピオンシップを獲得したMcLaren・HONDAは、たしかに強烈な印象を残しました。しかし、McLarenはF1のみならずモータースポーツ全般で、ワールドワイドな活躍をしてきました。ちなみにモータースポーツの世界でトリプル・クラウンと呼ばれる、F1モナコGP、インディ500、そしてルマン24時間の3つを戴冠したブランドは、McLarenだけなのです」 というエピソードを皮切りに、正本氏は1995年にルマン24時間に初参戦して優勝という快挙を成し遂げたMcLaren F1(6リッターV12エンジンをミドシップしたMcLaren初のロードカー)に始まる、ツーリングカー(ロードカー)による のモータースポーツ活動をプレビュー。「McLaren 620R」は、その経験から生まれた究極の公道走行可能なマシンであると語った。
端的にいえば、2017年にデビューしてGT4カテゴリーで成功を収めたナンバー取得不可な競技専用車である570S GT4のロードゴーイングバージョン(公道仕様)であるという「McLaren 620R」。最高出力620ps、最大トルク620N・mを発生する3.8リッターV8ツインターボエンジンを搭載、0-100km/h加速2.9秒、最高速度322km/hというパフォーマンスを誇る、「公道走行が可能なレーシングカーを超えたレーシングカー」であると正本氏は表現した。なんとも不思議な言い回しだが、その意味するところは「レギュレーションによって性能を制限されることもあるリアルなレーシングカーとは異なり、規則にとらわれることない「McLaren 620R」は、よりパワフルでエキサイティングなレーシング体験が楽しめる」ということである。しかも公道走行可能なので、サーキットまで自走していくこともできるというわけだ。ただしこの「McLaren 620R」、問題がひとつだけある。3750万円と言われる価格もさることながら、世界限定350台のうち、日本国内販売分はすでに完売ということだ……。
自ら「McLaren 620R」に乗り込み、数々の特徴と魅力を紹介した正本氏。今後もMcLarenはみなさんにすばらしいエキサイトメントを贈るスーパーカーを送りだしていく、と結んだ。