H-art Beat Gallery
東京都千代田区・神保町に拠点を構え、現代美術作品の展示、販売および展覧会・アートフェア等の企画、アーティスト・コレクションのマネージメントから、アートワークのプランニングを提案から納品まで、トータルで手掛ける〝H-art Beat Gallery〟。建築・インテリアプロジェクトへの作品提案なども行い、2022年7月から、ギャラリー作家・新規取り扱い作家の個展を月1回のペースでの開催を行っている。今回は「小川朋司」ら三作家による展示が行われた。日本初となるリヒテンシュタイン生まれの作家「ハナ・ロエックレ」特殊な塗料を用いて、光の当たり方による複雑な色調変化を楽しめる作品。初年度から続けて展示されている「今井龍満」馬やワニ・小鳥など動物をモチーフに、エナメルの線と独特な色彩を組み合わせて描かれる作品で、7月に愛知県メラード美術館にて個展も開催予定となっている。
H-art Beat Gallery URL: http://hartbeat.co.jp/index.htm
レントゲン藝術研究所準備室
美術品各種展示会企画/運営、アートイベント企画/運営、美術作家マネージメント、コレクション形成/管理など手掛ける〝レントゲン藝術研究所準備室〟ルーツを1990年代のアートシーンの中心地・東京都大森「レントゲン藝術研究所」に持つギャラリーだ。美術・工芸の古くて新しい中心地、金沢においてジャンルを問わない幅広いセレクションの画廊、「金澤水銀窟(かなざわすいぎんくつ)」も抱える。北陸地方での活動を中心としつつも、都内での展開・海外事業の拡大も並行している。今回は銅・鉄という硬質な素材を用いて柔らかな女性像を表現する「桐山征士」による作品と、「石黒昭」による真っ白なキャンバスにアクリル絵具をちりばめて表現された抽象絵画が展示された。自動車と芸術はお互いに補完するものがある、とはレントゲン藝術研究所準備室を主宰する池内氏談。「本来はとても近いはずの自動車と芸術。少なくとも日本では未だそういった関係で認知されていない。オートモビルカウンシルはヘリテージカーとアートのリレーションを表現できる、良き空間になるのではと感じています。」
レントゲン藝術研究所準備室 URL: https://www.facebook.com/roentgenkunstinstitut/
art gallery Komori
愛知県名古屋市にあるギャラリー〝art gallery Komori〟開廊より多くの作家を取り扱い、開廊時の志 「美をいつくしみ」「美におしえられ」「美に心をゆさぶられ」を礎に美術を身近に感じられるギャラリーとして活動している。主となる取り扱いは戦後の近代日本の絵画から現代美術・陶工芸、また現代作家のプロジュースなどを通じた企画展の開催、美術品時価評価証明書の作製なども行っている。今回のブースには「横尾忠則」「森本由貴子」ら4名の作家の作品が並んだ。木枝・材木を用いて木彫作品を創り上げる「松隈健太朗」による、今回のオートモビルカウンシルのために製作された新作でもあり、遺作にもなってしまった作品や、ヘリテージカー愛好家でもある画家「潤 inoue.」による自動車や建築物をモチーフとした作品が展示された。
art gallery Komori URL: https://artgallerykomori.com/
AIN SOPH DISPATCH
2006年に開廊し、絵画・写真・彫刻・版画といったアートの数々を取り扱うアートギャラリー〝AIN SOPH DISPATCH〟。クオリティの高い作家を発信するプライマリーギャラリーであり続けることを矜持としており、展覧会の企画を通してアーティストの発掘、育成を行いながらアートフェアへの参加、コミッションワーク、外部展示のディレクションなども行っている。展示された作家の作品の紹介は以下。「ふるかはひでたか(江戸-東京パースペクティブ)」歌川広重の傑作群・名所江戸百景を現代に訪ね、広重の引用と現代東京を重ねて描くシリーズとなっている。「鈴木淳夫(彫る絵画)」木製パネルにアクリル絵の具を何重にも塗り重ね、彫刻刀で彫り出すことにより様々な絵画表現がなされていくシリーズ。「阿部大介(Untitled Tool)」工具を版にして、インク・樹脂系エマルジョンを塗り、はがすことで表面の凹凸や痕跡を樹脂に写しとる、はがし刷りという技法を用いた作品だ。職人に使い込まれた道具に刻まれた時間が生々しく表現されている。
AIN SOPH DISPATCH URL: http://ainsophdispatch.com/
YOD TOKYO
大阪・東京(表参道)を拠点に現代アートを取り扱うアートギャラリー〝YOD TOKYO〟取り扱うアートは写真・絵画・彫刻・インスタレーションなど、ジャンルを問わず、新しい価値観・表現の発信を積極的に行っている。ギャラリーでの企画展開催はもちろん、国内外のアートフェアにも精力的に参加し、日本人作家の海外への紹介も得意としている。「轟友宏」は乗り物絵師として国内外のヘリテージカーの祭典に数多く出展。主な出展歴としては Retro Mobile Paris(‘12), Museo Mille Miglia(‘13)など、イタリア国立自動車博物館にも作品が所蔵されている。「上須元徳」は草や家、自動車をモチーフに不思議な輪郭と奥行きを持たせる事で、どこか懐かしさを覚える風景が描かれている。「Wataru Kimura」は若者の複雑な感情や不安定さをテーマにオリジナルのキャラクターの表情を用いて表現している。
YOD TOKYO URL: http://yoded.com/
LAD GALLERY
愛知県・名古屋市を拠点とする現代アートギャラリー〝LAD GALLERY〟コンセプト、コンテクストをキーワードに、主に若手作家の展覧会企画および作品の展示販売を行うのがメイン。プライマリマーケットにおいて心を揺さぶる、溌溂とした感性と同時代性を備えた作品の発信を得意としている。また、常設時はコンテポラリーアート作品とはいわば対極にあるといえる、日本および中国のものを中心としたオリエンタルアンティークも取り扱っており、時間と空間を越えたオルタナティブなスペースとなっている。今回は鉄などの金属やモーター、電力を用いた動く作品(キネティックアート)を製作する作家「藤田クレア」による作品を展示。近年では無機質な素材に加え、鳥の羽や貝殻など、有機的な自然物も作品に取り入れられ、人間の性や生殖、ジェンダー問題を内包しながらあらゆる表現がなされている。
LAD GALLERY URL: https://lad-chikyudo.com/
photograph: Ryousuke Doi
edit & interview: Chihiro Watanabe