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「ヘリテージカー好きは何時間も車の話をする。馬鹿みたいかもだけど、そっちの方が人生豊か」

高級感がありリュクスな雰囲気の『レンジローバー バンデンプラ』93年式を愛車に持つ畑山さん。昨年のオートモビル カウンシルで見て惚れ込んで購入したのだそう。さらには、レース用の『MGA FHC』の’59年式と『ポルシェ 930』の’86年式も保有! 「ヘリテージカーは人生の一部」と語る畑山さん。茅ヶ崎にあるお気に入りのガレージで、クルマ愛について伺ってきました。

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凄く高級感がありますね。まず、初歩的な質問ですが、クラシックレンジローバーとはどのような車でしょうか?

畑山氏(以下H)「イギリスのレンジローバーの初代のもので、あの型がルーブル美術館で唯一展示されている工業製品になっています。工業製品で美術品として唯一飾ってある車で、英国の王室御用達としても有名です。王室の人は全部これに乗ってて。内装ですが初期モデルはインテリアの巨匠コンランが全部デザインしたみたいで、これも前期型なので内装は彼がデザインしたので余計価値があります。あとは高さが馬の乗馬の高さと同じに合わせていて馬に乗ったような目線になっているんです。だからすごく乗ってて見切りがいいというか、それが特徴ですね。バンテンプラっていうのは後ろがちょっと長いんですよ。バンテンプラがレンジローバーのクラシックの中でも一番人気がありますね」

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イギリスが誇るべきデザインですね。では畑山さんが車に興味を持たれたのはいつ頃でしょうか?

H「小さい時からですね。当時ミニカー好きで、物心ついた時からずーっと車が好きで。ミニカーへの興味が、大人になったらそのまま車になりました。僕らの年代がサーキットの狼とかあって丁度スーパーカーブーム時だったんです。だから昔のカウンタックとか、ランボルギーニ、フェラーリなど昔でいうスーパーカーですね、やっぱりあの辺が好きでした。スーパーカー消しゴムとかあったんですよ、集めてましたねー(笑)」

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ではこれまでの車遍歴を教えてください。

H「最初に買ったのはフェアレディZです。80年代くらいのやつ。昔働いていたお店の先輩が乗っていて、すごくカッコよかったんで頼んで譲ってもらいました。それは免許とってすぐくらいの18歳の時ですね。ものすごい頼み込んで、安くしてもらって(笑)。でも維持が大変ですぐ手放しました。18歳にしてみれば高いじゃないですか、保険とか。そういうのもよくわからずに買ったんで、1年くらいですぐに手放してしまいました。そこから始まって、ベンツやフェラーリ、ボルボ、アウディ、レンジローバーにアメ車のカマロ。コルベット、アルファロメオも。一通り乗りましたね。30台くらいは乗り換えました」

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錚錚たる車遍歴ですね! そして今回はレンジローバーにした理由は何でしょうか?

H「元々クラッシックレンジに興味があって。前にディフェンダーを乗っていたんですけど、やっぱりローバー系の車がいいなと思っていて。ディフェンダーは型はよかったんですけどマニュアル車だったんで、運転が辛くなってきたのでオートマでちょっと優しい車が欲しくなりました。でも今のレンジローバーより昔のレンジローバーが好きだったんで、これがいいなと。最初、レンジャースさんでグリーンのやつを買ったんですが、去年買って2ヶ月くらいしてイベント、オートモビルカウンシルがあって。見に来てくださいと言われて行ったら、これが飾ってあったんですよ。『こっちの方がいいじゃん!』ってなって、お願いして買い替えたんです」

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展示されているのを見た時、どの辺が気に入ったのですか?

H「カラーリングがカッコよかったですよね、あのツートンの色がすごく渋くて。で、内装も黒と赤で。なかなかクラシックレンジって原色で乗ってる人が多いんですよね、青とか黄色とかグリーンとか昔っぽく。でもあれはレトロだけど色が都会っぽかったんで。東京に合うかなと」

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カラー、独特なシックな感じですね。珍しいです。

H「ワインが元になっているそうです。上が、バローロブラック、下がモンタルチーノレッド。どちらもワインの名前になっているんです。本当はツートンってないんですよね、あの時代のレンジって」

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沢山の車に乗られていて思うレンジの良さって何でしょうか?

H「まず乗り心地が独特で、ソファーに座っているみたいな感じです。車というよりは部屋にいるって感じのリラックス出来るような空間がいいですね。椅子も、今の車って堅いじゃないですか、でもあの時代の車、特にレンジは柔らかいんですよ。車も、椅子も柔らかいから。そのゆるい感じがいいですね」

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運転楽ですか?

H「楽ですね。見切りも視界もいいんで、大きいけど疲れないですね。今の車って窓が小さいんですよね。衝突安全性とかあるんで。でも昔の車って、視界が広いし、自分も外からすごく見えるんで。ちょっと服装とかも気をつけなきゃな、みたいな(笑)」

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この車を運転していてグッとくるところはどこでしょうか?

H「まず内装がコンランさんが作ってておしゃれなので見てて飽きないですよね。リラックスしつつ、見てて飽きないっていう。そこが一番好きかな。あと乗ってて、今の車にはない優しさがあるというか、居心地がいいですね、空間的に。動いてなくても、乗って座ってるだけでも気持ちいいというか。それが今の車にはない。外装も好きなんですけど、内装のあの感じが好きで、それも買うポイントになりました。大理石などはレンジャースさんのオリジナルですね、本当は木目っぽい感じになってます。スピーカーも、いい音が出るように変えてあると思います」

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外装のフォルムで好きなところはどこでしょうか?

H「特にリアのあの、斜め後ろから見た、あの角張った感じが好きですね。今みんな丸くなっちゃってるんで。ああいう四角い感じが好きです。ネジがむき出しになっている、無骨なところも好きですね。昔のスーパーカーも尖ってたじゃないですか?だから好きなんでしょうね」

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機能面で好きなところはどこでしょうか?

H「大きさの割には中の座るところや、後ろも広いところですね。機能面で言うと昔の車だから不便なとこあるじゃないですか。エアコンも効きすぎて寒いとかあるんですけど、でもそれが逆に手間がかかる分面白いというか。機嫌いい日と悪い日があったりするじゃないですか、ヘリテージカーだとちょっと寒い日とか調子悪いなみたいな。エアコンもまめに変えないと駄目なんで。そういう触る時間、車に対して気を使う時間が多い分、動物を飼っているような。気を使うところが多い分愛着がわくんでしょうね。ハンドルも結構緩いから、運転も五感をちゃんと研ぎすませて、気を使って。逆に今の車って、コンピューターみたいなんで。勝手に止まってくれたり五感が鈍るというか。五感をフルに活かして運転するところがいいんじゃないでしょうかね」

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普段使いされているんでしょうか?

H「そうですね、一番普段使いしています。都心もガンガン走りますし、表参道と鎌倉に家があるので往復に使ったりしています。結構長距離乗ってますね。都内の狭い道はちょっと大変です。あれ幅はそんなにないんですよね、184cmなんで。ただ長さがあるんで。あと昔の車ってハンドルがそんなにきれないんで、何回もきったりするのは大変ですけど、でもそんな、たいした苦にはならないですね」

どの辺を走っている時が楽しいですか?

H「高速っていうよりは、普通の下道をゆっくり走ってるのが気持ちいいです。この車って、車全体にしなるというか。段差も車全体でしなっていなします。ジャガーとかもそうですけどイギリス車のいい所らしいです。だからゆっくり走ってる時は、それが気持ちいいですよね。あのふわってなる瞬間が」

購入されて半年。これからどのような楽しみ方をしてみたいですか?

H「せっかくこういう車を買ったから、たくさん荷物積んで、遠くに何泊かの旅行とか行ってみたいですね。あとはロングボードも前の席を倒すと入るんで、サーフィンとかもいいですね。近場で伊豆とかいいですね」

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こちら茅ヶ崎のガレージですが、凄く立派ですね。バーもついていて。そして『MGA FHC』の’59年式と『ポルシェ 930』の’86年式が!

H「1年半くらいここをガレージとして使っています。これは去年の2月からです。オーナーさんがこの近くにガレージハウスを何軒か経営されてて、そこに友達が住んでいてすごく良かったんで。ここがたまたま空き地だったみたいで。どんなのがいい?って聞かれて、建てたら住むの?って。借りたいですって言ったら、言った通りに作ってくれたんです(笑)。デザインから全部打ち合わせしてやってくれたんです。車2台置けて、バーがあって、ホームシアターをつけてもらって、たまにガレージで見れたら面白いなと思ってました。こんなに立派になるとは思ってませんでしたけどね。たまに友達呼んでバーっぽく遊んだらいいなと思って、月に2回くらいだけ友達だけ集めて遊んでいます。ここ便利なんですよね、東京からも近いですし、圏央道出来たんで、富士スピードウェイも、箱根も近いし」

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MGAはどんな車でどういう時に乗っていらっしゃるのしょうか?

H「イギリスの車で1959年式。来年還暦です。これはヘリテージカーイベント用ですね、ミッレミリアとか。2年前も出て、今年の春は関西のプリマヴェーラに出ました」

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特に楽しいのはどういう点でしょうか?

H「ミッレミリアは自分の家の前を通るんですが、いつも見ていていいなあと思っていました。友人が出ることになってその紹介で自分も出ることになって。自分の家の前を走るのが嬉しいのと、意外と日本の知らない綺麗な景色を感じることができて。春と秋で桜や紅葉を感じることができますし、長野の山奥とか新潟走った時に綺麗だなあと。そんな場所を知ることができたきっかけにもなりましたし、この前も京都を走った時平安神宮がゴールだったんですけどああいう京都の街にクラシックカーってすごく合う」

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こちらのポルシェはどんな楽しみ方をされていますでしょうか?

H「これはサーキット出たり、あとは本当のラリーカーですね、林道を貸し切って走るラリーレースが毎年10月にあるんですが、そのアルペンクラシックカーラリーってイベントに出たりしています。アークヒルズのカラヤン広場に車が並んで、あそこから軽井沢の方とかに行って、軽井沢の林道を全速力で走るんですけど、去年は台風で雨で大変でしたね。なかなかスリリングなレースでした。でもそれがまた面白いんですよ」

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では、話は戻りますが、レンジローバーはいつまで乗っていきたいでしょうか?

H「ずっと置いておければ置いておきたい車ですね。例えば他に車を買い足したとしても、この車はガレージにずっと残して置いておければいいかなと。または、すごく仲のいい友達に譲って。そしたらたまに会って見れるから。僕自分が乗ってた車を友達が乗ってること多いんですよ、友人に譲っておくと見れるじゃないですか。機会があれば買い戻すことも出来るし。古い車って次の人に売る時にどうなるかって気になるんで、次の人が適当だと、もう車が終わっちゃうじゃないですか。だから大事にしてくれる人とか、知ってる人に売らないと、車が終わっちゃうんで」

最後にあなたにとってヘリテージカーとは何でしょうか?

H「まぁなんか本当に人生の一部というか、生き甲斐。車大好きなんでね。人生にハリを与えてくれるもの。車はお金かかるんで、仕事を頑張るパワーにもなるし。仕事頑張ってまた買おう!みたいな。次何買おうかって探してる時が一番楽しいですね」

若い世代の子達、購入を悩んでいる子達に何かアドバイスがあればお願いします。

H「あー、無理してでも買った方がいいですね。買う事で、また普段よりも頑張れるというか。お金があるから良い車を買うとかじゃなくて、ヘリテージカーを買うことで体験出来ることってあるじゃないですか、その車にも教えられることもあるし、イベントに出たりとか。車が好きな人って車持ってるだけで声かけてくれたりもするし。その車を買ったことで出来る体験っていうのはお金で買えないものなので。そういう体験をする為に、苦労してでも買った方がいいっていうか。旅行と一緒です。壊れたりすることもあるけど、壊れることで知識つくこともあるし、壊れたことで、出した車屋さんで出会いがあったりもするから、そういう意味ではすごく人生にいいものを与えてくれるから」

それは畑山さんの人生観でもあるんでしょうか?

H「そうですね、今の時代って結局、みんな車に限らず、いいなと思っても手を出さない人が多いじゃないですか。無理しないで、大変だよとか言うけど、現実的な人が多過ぎて、ロマンぽく語る人っていないじゃないですか。でもヘリテージカーが好きで乗ってる人って、興味ない人からしたら馬鹿みたいだと思うんですけど、好きなものの話を何時間でも出来ると思うんですよね。そういう人が増えた方が世の中面白いというか。人生が豊かじゃないですか。意外と人生って、なんとかなっちゃうことの方が多いんで」

Interview & Edit:TUNA