AUTO DIRECT

ポルシェ・アストンマーティンをはじめ、ヘリテージカーから新型車まで。趣味性の高い欧州車専門のスペシャルショップ〝AUTO DIRECT〟。取り扱う車両のコンディションには一切の妥協が無く、港区東麻布のショールームに並ぶのはこだわり抜かれた個体ばかり。EVや自動運転などのハイテクノロジーのクルマが溢れる時代だからこそ、あえて「趣味性の高い、趣味人に刺さるセレクトをしていく」という信条の下、ラインナップを行っている。長年得意としてきたアストンマーティン、ジャガーに加えてエッジの効いた空冷ポルシェのラインナップも強化中。東京タワーに隣接するビル下のセキュリティーを完備した専用駐車場には常時豊富な在庫が用意され、コンディションはどれも折り紙付きだ。また、最新型のポルシェも展開しているオートダイレクトでは、ドイツ本国と直接取引し、ポルシェのパーソナリゼーション部門「エクスクルーシブ・マニュファクチュア」でのオーダーが可能。このプログラムは、カタログに無いカラー・オプションを用いて世界に一台だけのポルシェを仕立てる、いわばビスポークプランとなっている。既に本プログラムでオーダーした数台が日本上陸済みで、オートダイレクトでは随時エクスクルーシブ・マニュファクチュアでのオーダーを受け付けている。

今回出展されたのは、趣味性の高いスペシャル・ポルシェ3台。「1989年式 Porsche 911 Speedster (type 930)」356シリーズに設定されたスピードスターを初代とし、2代目となる930型はおよそ生産台数2100台余りの希少車。「1967年 Porsche 911」は正規輸入のミツワディーラーで、驚く事に「足立 5」のシングルナンバーが維持されている。「1988年式 RENN SPORT 911 Targa3.4」930型911をベースに、英国 RENN SPORTにてレストモッドされた一台。内外装共にナローポルシェを忠実に再現しつつも、車内のモニターから制御可能な電子制御サスペンションを備えるなど、各所に現代アップデートが施されているのはお得意の仕上げ。AUTO DIRECTではRENN SPORTの正規販売代理店となっており、タルガ/クーペのボディタイプはもちろん、細かな内装まで好みの仕様でオーダーが可能となっている。

BECK JAPAN by ヨシムラオート

株式会社ヨシムラオートが日本総代理店として全面プロデュースする、〝BECK JAPAN by ヨシムラオート〟ポルシェの伝説を創り出した優れたデザインに、並外れた走行性能を持つ歴史的スーパースポーツカーを、公道からサーキットまで気軽に楽しめるレプリケーションとして蘇らせたコーチビルダー、BECK。ヨシムラオートでは日本総代理店として本国へのオーダー、メインテナンスを一手に担っている。ベックの歴史は古く、元シェルビー・アメリカンのエンジニアにして生粋のポルシェ エンスージアストであるチャック・ベック氏による「ベック・デベロップメント」が半世紀以上前にポルシェ550スパイダーのキットカー販売を行ったのが始まり。現在のベックでは、クラシックポルシェのフレームやボディに忠実に従いながらオリジナルボディを製作し、エンジン等の様々なコンポーネントを選択しながら車両を製作する事が可能。ラインナップは550スパイダー、 904GTS、356スピードスターなど。貴重で本来手に入れることが難しいクラシックポルシェの魅力はそのままに、現代に蘇らせたのがベックシリーズだ。

今回のオートモビルカウンシルでは〝BECK GTS〟と〝BECK 550 スパイダー〟の2台を展示。シルバーのBECK GTSは、ポルシェ964に搭載されている3.6Lエンジンから260psを発生。オリジナルのPorsche 904 GTSと比較して、機関的にも高出力で扱いやすく、近代的なユニットを搭載する事で信頼性も高まっている。ブラックのボディに、ベージュのクラシカルな内装を持つ1台は〝ベック 550スパイダー〟。スバル製・2.5L水平対向エンジンを搭載し、フロア4MTを組み合わせた2015年式のモデルになる。現在、BECK GTS/550スパイダー/356スパイダーはそれぞれ5~25台ずつ生産されているが、世界各地でバックオーダーを抱える大人気ぶりでいずれの車種も年単位での待ち時間が生ずる。しかし最新のモデルではマイル⇒km表記への変更、取り外し可能ロールゲージなどのオプションをチョイスし、日本の道路交通事情に合わせた細かなオーダーが可能なところも大きな魅力の一つとなっている。

Beck Japan by ヨシムラオート URL: http://beckjapan.jp/

WARASHINA Cars

ロータス、ミニ、MG、S800など、軽量で軽快な走りを楽しめるライトウェイトスポーツカーの専門店〝WARASHINA Cars〟1976年の創業から47年目を数え、英国車一筋の藁科オーナーによるスペシャルショップだ。クラシックミニの販売・レストアがメインではあるものの、他の英国ライトウェイトスポーツカーであっても日常のメインテナンスからセミレストア・フルレストアなど予算に応じて幅広く相談にのってくれる。

新車当時を感じることができる奇跡の一台、「1960年 Austin Healey Sprite Mk-1」実走行は僅か12,912マイル(20,659km)で、外装のオリジナルペイントはもちろん、劣化の早いラバーマットも含めてオリジナルインテリアが維持されている。日本のカーマガジン、英国のオースチン ヒーレー専門誌で”おそらく世界で最もオリジナル度の高いスプライト”という特集がされた一台だ。「1959年式 Jaguar Mk.1」知名度の高いMK-2と比較して非常に数が少ないMK-1。日本輸入時にエンジンオーバーホール 2000年に日本で新規登録を行い、エンジンオーバーホールを含めて整備されている安心の一台だ。

WARASHINA Cars URL: https://www.warashinacars.jp/

スピニングガレージ

フォルクスワーゲン・ゴルフⅡ専門店、〝スピニングガレージ〟。世界で最も販売されているコンパクトカーの一つであるフォルクスワーゲン・ゴルフの二代目・通称「ゴルフⅡ」を専門とするスペシャルショップだ。洗練された素朴なデザインが幅広い層に支持され、ゴルフⅡは今やヤングタイマー・ネオクラシックといったジャンルの代名詞。日本でも大ブレイクを果たしたが、1984年の国内販売開始から30年以上経過した現在では、現存数を減らす一方だという。今でも根強いファンが多く存在するこの車種を、「一台でも多く、ゴルフⅡを残したい」という想いの下守り続けているスピニングガレージ。仕入れ車両もあえて状態の良し悪しを絶対の基準とせず、どんな状態でもお客さんの要望に沿ってじっくり向き合ってくれる、ヘリテージカービギナーにも安心なショップだ。

ブースにはバラエティ豊かな3台のフォルクスワーゲン・GOLFⅡが登場。「1993年式 VolksWagen GOLF カブリオ クラシックライン」は、クラシックラインをベースにGolfⅠ風にナローに仕立てた遊び心溢れる一台。当然インテリア・機関系もフルレストレーションを受けており、GolfⅡの安定感あるドライブフィールをよりキュートでクラシカルなナロールックで楽しむ事ができる。ゴルフがハッチバックの元祖であれば、SUVの源流とも言えるモデルが、「1991年式 VolksWagen GOLF Country」大衆的なCセグメントの代表格であったゴルフにオーバーフェンダー、アニマルガード、リアにスぺアタイヤを背負って四輪駆動化が行われたゴルフカントリー。いずれのゴルフⅡも、程度の良い個体はいよいよ新車価格を超えつつあり、現在の相場は10年前と比較しても倍以上に高騰しているものの、スピニングガレージでは、極上車を求める好車家からヘリテージカーを始めたいビギナーまで幅広く、それぞれの人にあったゴルフⅡを提案し続けていきたいと想いを語って頂いた。

スピニングガレージ URL: https://spinninggarage.com/

原工房

東京都江戸川区に店舗を構え、そのアットホームな雰囲気でオートモビルカウンシルでもお馴染みの存在となっている〝原工房〟。プジョーを代表として、シトロエン・DS・ルノーとフランス車全般を取り扱い、車検・修理・整備全般を手掛けている。代表の原 誠二社長は、プジョー日本正規導入以前から半世紀近くプジョーに情熱を注ぎ、プジョーメカニックの頂点を目指し続けてきた生粋の自動車職人。その姿はヘリテージカー販売店というよりは、修理屋という言葉が当てはまる。2人のベテランメカニックを抱え、整備に対する厚い信頼から、メーカー広報車の整備を委託され、全国の正規ディーラーから技術支援が届くなど、プジョージャポンにとっても頼れる存在となっている。職人ならではの鋭い眼光とは裏腹に、心優しい人柄を持つ原社長の下に訪れる人は後を絶たず、まさしく「困った時の駆け込み寺」としてフランス車フリークに愛されている。プジョーヘリテージ事情としては、日本での歴史がまだまだ浅い事もあり、プジョー205など人気のあるモデルは市場に出る前に売れてしまう事もしばしば。そんな中でも若い方が店を訪れる事も多く、徐々にブランドイメージが変わりつつあるのだとか。

今年のオートモビルカウンシルに並んだのはハイペリオンブルーを纏う2台の〝2004年式 Peugeot 406 Coupe〟プジョーの中でも随一の優雅さを醸すこのモデルはイタリアのカロッツェリア・ピニンファリーナの手による美しいスタイリングが特徴。外装は当時ラインナップされていた406セダンや406ブレークとは異なる多くの専用パーツが用いられ、当時の旗艦モデルとして注力されたモデルとなっている。このハイペリオンブルー(淡い青)は、ボディの造形がより柔らかく見える事から新車時から人気のカラーなのだとか。今年度も原社長がその可愛らしいパッケージに一目惚れしたという、フランス製オイルメーカー〝Unil Opal (ユニル オパール)〟と共同出展。ユニルオパール製オイルは、ほとんどの製品が各欧州自動車メーカーやACEA規格の承認を取得しており、「高い信頼性」を持つ事で認知されている。ラインナップはクリーンディーゼルを始めとして、幅広い実用車に最適なオイルが用意され、フランス国内ではエンジンオイルのシェアNo.1。創業より60年余りの歴史を持つ、信頼の老舗オイルメーカーである。

ヴィンテージ宮田自動車

オートモビルカウンシルではお馴染み国産ヘリテージカーのスペシャリスト、〝ヴィンテージ宮田自動車〟社長の宮田篤氏が1から作り上げたショップは、創業当初はスバル360などの軽自動車に始まり、国内外問わず旧車・新車の整備販売を手掛けて30年以上。現在では、5台分のピットと常時100台以上の在庫を取り揃え、レクサス・トヨタ・ニッサンを始めとする国産新車から外車までオールラウンドに取り扱う三重県では有数のヘリテージカーショップだ。社長の宮田氏は東海ラジオで自身の番組「宮田篤のヴィンテージナイト」のメインパーソナリティとしての一面も。「いいクルマ選びは、良い店選びから」をモットーに、ユーザー寄り添い続けるクルマ好きには大変心強いショップだ。

今回のオートモビルカウンシルでは、9台の選りすぐりのヘリテージカーが勢ぞろい。ネオクラシックな80’s「1987年式 NISSAN SLYLINE GTS-R」から、ヴィンテージ宮田自動車ではお馴染みの「1972年 NISSAN SKYLINE GT-R」など。中でもブースでひと際輝きを放っていた2台のフェアレディZを紹介したい。シリーズの中でも伝説的な存在となっている「1970年式 NISSAN FAIRLADY Z432」は、究極のオリジナルを目指し、1年半の歳月をかけてフルレストレーションを受け製作された一台だ。「1975年式 NISSAN FAIRLADY Z Z-L」は新車時からのナンバー「愛媛55」を背負う奇跡の一台。新車時からのおよそ50年間、ほとんど車検も切らすことなく1オ―ナーで愛情を注がれてきたこのZ。前オーナーの意思を継ぎ、心から大事にしてくれる次のパートナーを募集中だ。

ヴィンテージ宮田自動車 URL: http://www.japan-vintage.com/

photograph: Ryousuke Doi
edit & interview: Chihiro Watanabe

Shop Information

スピニングガレージ

  • 住 所:〒252-0154 神奈川県相模原市緑区長竹2748-1
  • 電 話:042-780-8198
  • FAX:042-780-8199
  • 営業時間:9:00~18:00
  • 定休日:水曜日
  • URL:http://www.spinninggarage.com/