レントゲン藝術研究所準備室

美術品各種展示会企画/運営、アートイベント企画/運営、美術作家マネージメント、コレクション形成/管理など手掛ける〝レントゲン藝術研究所準備室〟ルーツを1990年代のアートシーンの中心地・東京都大森「レントゲン藝術研究所」に持つギャラリーだ。北陸地方での活動を中心としつつも、都内での展開・海外事業の拡大も並行している。今回は銅・鉄という硬質な素材を用いて柔らかな女性像を表現する「桐山征士」による作品と、食をするための器具が食器ならばあえて食をできなくさせる道具もまた食器であると考え表現する「小林淳一郎」による作品を展示。美術に対しての価値観は、観賞のための装飾品とする日本と、ビジュアルと意味は等価値とする西洋で二分されている。レントゲンでは、美術品を思考実験の装置だと捉え新たな模索を続けている。自動車と芸術はお互いに補完するものがある、とはレントゲン藝術研究所準備室を主宰する池内氏談。「本来はとても近いはずの自動車と芸術。少なくとも日本では未だそういった関係で認知されていない。オートモビルカウンシルはヘリテージカーとアートのリレーションを表現できる、良き空間になるのではと感じています。」

レントゲン藝術研究所準備室 URL: https://www.facebook.com/roentgenkunstinstitut/

H-art Beat Gallery

東京都千代田区・神保町に拠点を構え、現代美術作品の展示、販売および展覧会・アートフェア等の企画、アーティスト・コレクションのマネージメントから、アートワークのプランニングを提案から納品まで、トータルで手掛ける〝H-art Beat Gallery〟。建築・インテリアプロジェクトへの作品提案なども行い、2022年7月から、ギャラリー作家・新規取り扱い作家の個展を月1回のペースでの開催を行っている。 今回は「安藤しづか」ら三作家の作品を展示。安藤しづかの作品は、和紙・岩絵具といった日本画の画材を用いて現代人を描く独自の作風で、SNSを中心に人気を博している。初年度から続けて展示されている「今井龍満」は、線を垂らして描く独自技法と、独特の色彩感覚で評価が高まっている作家。馬やワニ・小鳥など動物をモチーフに、エナメルの線と独特な色彩を組み合わせて描かれている。「王麗楠」は中国出身・金沢美術工芸大学修了。乾漆技法を基本としながら大胆な作品モチーフが特徴だ。

H-art Beat Gallery URL: http://hartbeat.co.jp/index.htm

3ta2 SANTANI GALLERY

愛媛県松山市に拠点を置き、県内外のアートやクラフト作品を取り扱うギャラリー「3ta2 SANTANI GALLERY」。マテリアルそのものの魅力が引き出されている作品を好んで取り扱っています、とは代表の三谷氏談。現代美術から工芸まで幅広く扱い、作家の個展やグループ展、アートフェアへの出展などを通じて、多様な表現を提案している。初参加となった今回は、絵・書・写真・ガラスなど異なる技法や素材を持つ5名の作品で構成。数日かけて作る墨の濃淡を和紙に落とし込む「白晃」や、意識を引き込まれるようなガラスアートの「aki kotoda」、クルマのイベントにちなんで70年代のカーグラフィック誌を使用したコラージュ作品などが展示された。

3ta2 SANTANI GALLERY URL: https://www.3ta2-gallery.com/

AIN SOPH DISPATCH

2006年に開廊し、絵画・写真・彫刻・版画といったアートの数々を取り扱うアートギャラリー〝AIN SOPH DISPATCH〟。クオリティの高い作家を発信するプライマリーギャラリーであり続けることを矜持としており、展覧会の企画を通してアーティストの発掘、育成を行いながらアートフェアへの参加、コミッションワーク、外部展示のディレクションなども行っている。展示された作家の作品の紹介は以下。「ふるかはひでたか(江戸-東京パースペクティブ)」歌川広重の傑作群・名所江戸百景を現代に訪ね、広重の引用と現代東京を重ねて描くシリーズとなっている。「山田純嗣」名画の空間構造を読み解き、インタリオ・オン・フォトと呼ぶ独自の技法で作品化がされるシリーズ。使われなくなった衣類を素材として、空想の生き物「もけもけもの」シリーズを展開する「黒田恵枝」の作品が展示された。

AIN SOPH DISPATCH URL: http://ainsopchdispatch.com/ /

GALLERY IDF

愛知県・名古屋市に拠点を構えるアートギャラリー〝Gallery IDF 〟2002年開廊から、23年目を迎え若手アーティストの発掘・育成、展覧会やアートイベントの企画・開催や国内外アートフェアへの参加をメインに活動を行っている。今回は二人のアーティストによる作品を展示。アルミの板を磨き、サンドペーパーやルーターで削り、最後にクリアを吹く事で光の反射を利用して空・海・水を表現している「酒井陽一」の作品。シトロ―エンに魅せられ、プラモデルを創るように箸置きや、重しなどの陶器を製作する「鴨瑞久」の作品が展示された。

Gallery IDF URL: https://gallery-idf.jp/

YU HARADA

東京都新宿区・安養寺の参道の一角に拠点を構えるギャラリー〝Yu Harada〟。単なるコマーシャルギャラリーではなく、アーティストの自立を支援しつつ、実験的で国際的な表現を発信する現代美術ギャラリーである。今回は「前谷 康太郎」の写真作品「FLATLAND」を展開。どこか遠い越境感覚を覚えさせるこの写真はすべてクルマのボディーという三次元曲面に映る光を、マクロレンズで捉えた作品である。色づく空と、それを反射する金属の光沢面以外は漆黒の闇という、隔てられた二つの空間を冷たい金属の2次元曲面の中で生け捕りにした作品だという。

Brain Brunn Gallery

東京都八王子市を拠点とするギャラリー〝Brain Brunn Gallery〟時代や流行に左右されない芸術の不変性と芸術本来の意義を追求する現代美術アートギャラリーとして、企画展や常設展を通じて、絵画、造形、ミクストメディア作品等、現代美術作家のプライマリー作品を紹介している。展示作家は「溝渕 ゆう子」「カミジョウミカ」の二名。人とは何なのか?といった普遍的なテーマを人の手を使った「描く・彫る・貼る」等原始的な表現を用いた作品が展示された。

Brain Brunn Gallery URL: https://www.brain-brunn.com/

Aaroidworksgallery

〝roidworksgallery〟は、2009年創設の文京区湯島拠点の現代美術ギャラリー。2020年から「AaP (Art and Pulse)」プロジェクトを通じてテクノロジーとアートを融合させ、次世代アーティストを支援しながら国際的な発信を行っている。BSフジ 毎週火曜日21:55からの5分番組「ブレイク前夜~次世代の芸術家たち~」にて総勢400名越えの新進アーティストの紹介も行い、アートと社会をつなぐ独自の活動も行っている。「鈴木一世」・「木原千春」・「星山耕太郎」などを中心に、roidworksgalleryの主力アーティスト5名の作品展示が行われた。

roidworksgallery URL: https://roidworksgallery.com/

photograph: Ryousuke Doi
edit & interview: Chihiro Watanabe