Porsche JAPAN

ポルシェジャパンからポルシェクラシックの専門知識とドイツ本国の研修を受けて、ポルシェセンターの中から選ばれたポルシェ クラシック パートナー。1960年代~2000年代前半のポルシェを扱うクラシック部門として、日本には青山・世田谷/横浜青葉/名古屋/堺の四拠点が存在する。メインテナンスの研修もヘリテージ部門として空冷モデルを扱うものから、ポルシェカレラGT・ポルシェ959といった車種によっては、細部にわたって分類され、膨大な量をこなさなくてはならないのだ。

数々の研修を経て成立するヘリテージ部門には、あらゆるナレッジの共有が存在し、車種ごとのウィークポイントを徹底的に知り尽くしているからこその最良の整備を可能としている。今回展示された四台のポルシェも、ヘリテージポルシェ向けのプログラムに基づいてレストア・メインテナンスされたもの。整備はドイツ本国から供給されるポルシェ純正パーツを用いることを基本とし、走り・乗り味といった部分も、本来のポルシェたる領域にしっかりと収めてくれることを約束してくれる。

PORSCHE JAPAN
URL: www.porsche.com/japan/jp/


 

コレツィオーネ

『あなたの人生はラテン車とともに』ヘリテージから現行車まで、ランチア、アルファロメオ、フェラーリ、ルノーといったイタリア・フランス車全般のスペシャリスト〝COLLEZIONE〟。世田谷に本店を構え、特筆すべきは在庫車の豊富さ。店先はいつ覗いても魅力的なラテン車で溢れ、好き者には堪らない空間となっている。この豊富な在庫車のほとんどが、整備簿がしっかりと残る素性の分かるクルマ。ユーザー買い取り、下取りをメインとして良質な在庫車を常に揃えられるのは、長年のお付き合いのある顧客を多数抱えるコレツィオーネならでは。

今回、会場に持ち込まれたのは〝LANCIA Fulvia Coupé 1.6 HF〟1970年代当時のランチアによるラリーホモロゲ―ションモデルそのものだ。シャーシナンバー「818540/002277」を持つこの個体は、ランチア フルヴィアのモデル末期となる73年末、74年のイースト・アフリカン・サファリ・ラリー参戦に向けて、二台のみ製造された内の一台。もう一台の兄弟車「818540/002278」は、かのサンドロ・ムナーリによって総合三位に導かれ、この個体もシェカー・メッタ/マイク・ダヴィデによって総合11位で完走したヒストリーを持つ。こうして得たポイントをもって、シリーズ3勝したランチア ストラトスを援護射撃。1974年にランチアがメイクス・タイトルを獲得する一助となった。つまり、この個体はランチアから最後に製造された2台のワークス・フルヴィアの内の1台ということになる。由緒正しきヒストリーだけでなく、当時のナンバー・ドキュメントの一式がしっかりと残されている点も、またとない貴重なコレクタブルカーと言えるであろう。

COLLEZIONE(コレツィオーネ)
URL: www.collezione.co.jp


 

オートダイレクト

アストンマーティン・ジャガーなど、趣味性の高い車両をメインに取り扱っている〝オートダイレクト〟取り扱う車両のコンディションには一切の妥協も無く、港区東麻布のショールームに並ぶ車両もどれも良コンディションを保つ個体ばかり。仕入れる際のこだわりは〝自分が刺さるクルマ〟ということ。ゆえにアストンマーティン、ジャガーのなかに、ドイツ・イタリアなどのエッジの効いたモデルがラインナップされるのもしばしば。もちろん、コンディションはどれも折り紙付きだ。

今回のオートモビルカウンシル に、珠玉の在庫車の数々から選ばれたのは〝Aston Martin DBS Vantage〟昨今、DB4,DB5,DB6などのヘリテージアストンマーティンが高騰する中、このアストンマーティンDBSは比較的リーズナブルな相場を保ちつつ、再評価の潮流にある車種なのだという。シャーシはハロルド・ビーチがDBS用に新開発したシャーシを採用しつつ、エンジンはアストンマーティンDB6用の4.0リットル水冷直6エンジンを搭載。この個体は前々オーナーがイギリスから購入して以来、長年面倒を見ている素性のハッキリした車両になる。代表の角田氏曰く、「写真では伝わり辛い、英国車らしい品性の溢れる魅力的なクルマ。本物のラグジュアリーカーたる姿を、ぜひ御覧いただきたい」

AUTO DIRECT(オートダイレクト)
URL: www.auto-direct.jp


 

シンプルオート

言わずと知れたクラシックBMWスペシャリスト〝シンプルオート〟長年のキャリアと経験を活かし、最良のメインテナンス法、時々刻々と変化するパーツ事情に合わせた最適なパーツを探求し続けている。そんな情熱の源は、「日本のクラシックBMWをより長く楽しんで欲しい」という想いから。今回のオートモビルカウンシルでは、看板車両であるBMW 2002 1台と、2台のヘリテージBMWを展示。

今回のオートモビルカウンシルで展示されたこの2台は、シンプルオートの看板とも言えるマルニシリーズとは一線を画す存在。代表の吉田氏曰く「BMW2002だけではなく、こうしたヘリテージBMWも扱っている事を皆さんに知っていただければ」BMW 328のレプリカとなるSbarro 328はスイス製で、エンジンやミッションはマルニと共通。過去にカーグラフィックの表紙を飾ったこともある貴重な車両だ。お隣の白い1966年式 BMW3200CSは、イタリアのカロッツェリア〝ベルトーネ〟デザインの美しいボディを持つ大型クーペ。3.2LのV8エンジンを搭載し、ゆとりのある室内スペースと、ジウジアーロらしい流れるようなサイドシルエットが特徴。この3200CSは、来場者の投票から選出される〝AUTOMOBILE COUNCIL CAR OF THE YEAR 2020 〟に選ばれた。

〝AUTOMOBILE COUNCIL CAR OF THE YEAR 2020 〟についてはこちら

シンプルオート
URL: simpleauto.jp


 

スピニングガレージ

オートモビルカウンシルでは連続出展となり、今やお馴染みとなっているフォルクスワーゲン ゴルフⅡ専門店、〝スピニングガレージ〟洗練された素朴なデザインが幅広い層に支持され、ゴルフⅡは今やヤングタイマー・ネオクラシックといったジャンルの代名詞。「一台でも多く、ゴルフⅡを残したい」という想いから、仕入れ車両もあえて状態の良し悪しを絶対の基準とせず、どんな状態でもお客さんの要望に沿ってじっくり向き合ってくれる、ヘリテージカービギナーにも安心なショップだ。

今回のオートモビルカウンシルでは、3台のVW GOLFⅡを展示。初日のみの展示となった貴重なゴルフⅠのカブリオレモデルと入れ替わりで、1993年式 VolksWagen GOLF カブリオ クラシックラインが登場した。一般的なクローズドモデルとカブリオシリーズの違いは、カブリオのみ床板が二重構造になっている点。クローズドモデルと比較してルーフがない分の強度不足を、フロアを補強する事で補っているという。この事で低重心化がなされ、高速道路での安定感は抜群なのだとか。ゴルフⅡの良さは、なんといっても生活に則したタフさ。メーターを覗くと、びっくりするような走行距離の個体も多いが、スピニングガレージに言わせれば、「10万kmは、まだまだ慣らしが終わった程度!」日頃の通勤はもちろん、ゴルフⅡでサーキット走行も楽しまれている方も居るのだとか。

スピニングガレージ
URL: spinninggarage.jp


 

VOLVO KLASSISK GARAGE

2016年のオートモビルカウンシルで、「ヘリテージボルボをこれからも安心して乗り続けていただくために」というコンセプトの下、ボルボ・カー・ジャパンが発表した〝KLASSISK GARAGE(ボルボ・クラシック・ガレージ)〟以来、継続的な出展となり今回で5度目。1950年代から1998年までボルボ車の中でもFR(後輪駆動)のモデルを対象に、メーカー純正のメインテナンス・レストア・販売を行っている。今年は、VOLVOディーラーで実際に採用されている、「ストリートスタイル」という街中で見かける姿を連想させる展示方法とは一変、年代もよりクラシカルで粒ぞろいのボルボが展示された。

今回は注目を浴びたのは、1971年式 VOLVO P1800Eと1969年式VOLVO アマゾン 122S。ヘリテージボルボの中でも根強い人気を誇るVOLVO 240シリーズと比較すると、やや印象の薄くなってしまうこの2台も、VOLVOのルーツを辿ると避けては通れない歴史的な車両。特筆すべきはボディの曲線の丸み、1980年代以降のヘリテージボルボは直線を基調としたデザインが主流だったのに対し、この二台は全体的に丸みを帯びた流暢なボディデザインが特徴となっている。白いVOLVO アマゾン122Sは、当時としては革新的な三点式シートベルトを標準装備していたり、衝突時の乗客への衝撃吸収のためダッシュボードの表皮が非常に柔らかく、間にスポンジを封入してあるという。エアバックなどの装備が発明されていない時代から、ボルボは安全に対して高い志を持っていたことが窺い知れる。マネージャーの阿部さん曰く「旧車であってもしっかりとメインテナンスを実施すれば、現在でも実用できるのがヘリテージボルボの良さですね」

VOLVO KLASSISK GARAGE(ボルボ・クラシック・ガレージ)
URL: www.volvocars.com/jp/about/our-stories/classic_cars


 

photograph: Ryousuke Doi
edit & interview: Chihiro Watanabe

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