スピニングガレージ

初年度からの連続出展で、オートモビルカウンシルには欠かせない存在といえるフォルクスワーゲン ゴルフⅡ専門店、〝スピニングガレージ〟洗練された素朴なデザインが幅広い層に支持され、ゴルフⅡは今やヤングタイマー・ネオクラシックといったジャンルの代名詞。大衆車であった事もあり世界はもちろん、日本でも大ブレイクを果たし、現在でも根強いファンが多く存在する人気のゴルフⅡも、1984年の日本発売から30年以上経過し、状態を問わず着実にタマ数は減ってきているという。「一台でも多く、ゴルフⅡを残したい」という想いから、仕入れ車両もあえて状態の良し悪しを絶対の基準とせず、どんな状態でもお客さんの要望に沿ってじっくり向き合ってくれる、ヘリテージカービギナーにも安心なショップだ。

今回のオートモビルカウンシルでは、CLI・カントリー・カブリオレとバラエティ豊かな3台のVW GOLFⅡが登場。1993年式 VolksWagen GOLF カブリオ クラシックラインは、2.5万kmという低走行ながら内外装・幌まで一新されコンディションは極上。ルーフが無い分の強度不足を補うために、フロアが二重構造になっているカブリオモデルのドライブフィールは、見かけとは裏腹に安定感抜群なのだとか。しかもこの個体、当時の相模2ケタナンバーが維持されている点も好車家をくすぐるポイントだ。大衆的なCセグメントの代表格であったゴルフを、四駆クロスカントリー仕立てにしたゴルフカントリーは、走行3万キロ台の極上車。日本への導入は僅か110台ほどだった事を踏まえれば、まさしく奇跡の一台と言えよう。しかし、今回のサプライズは走行僅か1.6万kmの1991年式 GOLF CLI。外装こそ、全塗装を施されているものの、オリジナルが保たれる内装は使用感もほとんど無く、まさしく新車のような程度を維持している。こうした極上車に出逢える機会も減りゆく一方で、程度の良い個体はいよいよ新車価格を超えつつある、現在の相場は10年前と比較しても倍以上に高騰している。スピニングガレージでは、極上車を求める好車家からヘリテージカーを始めたたいビギナーまで幅広く、それぞれの人にあったゴルフⅡを提案し続けていきたいとのこと。

スピニングガレージ
URL: https://spinninggarage.com/


 

アウトニーズ

1998年創業、日本・京都に拠点を構えるフランス・シトロエン専門のスペシャルショップ〝Auto Needs(アウトニーズ)〟。1950-1970年代に製造されたシトロエンDSをメインに、ヘリテージから1990年代のネオクラシック・現代のニューカーまで取り扱う。驚くべきはオランダを拠点としたレストレーションで、日本に比べて圧倒的に現存個体数が多い欧州各地から良質なヘリテージシトロエンを発掘し、オランダの自社工場にて緻密なレストレーションを行った上で日本へ持ち込まれる。オーナーの希望に合わせて国内外から希望に近い個体を探し出すだけでなく、スーツのフルオーダーのように内外装の色や、中のマテリアルまで細かく希望の仕様に仕立て上げる事ができるという。

今回のアウトニーズブースは「最後のビッグシトロエン」Citroën C6 が一挙3台揃い踏み。2005年にデビューした当時のフラッグシップサルーンであるC6。日本への正規輸入も2010年で終了しており、いよいよネオクラシックの域に入りつつある1台。またもう一つのブースでは「RENT A CLASSIC CAR in Kyoto」と銘打たれた、アウトニーズオリジナルのレンタカーサービスがオートモビルカウンシル2021で初披露となった。「京都×ヘリテージシトロエン」がテーマの本サービスは、会場に実際に展示された1988年式 Citroën 2CV、1974年式Citroën DS23と共にシトロエンを代表する2車種をレンタルし、京都の街とのマリアージュを楽しめるという物。しかしきっかけは、近年の価格高騰に伴って敷居が高くなってしまったヘリテージカーの敷居を下げて、もっと身近に楽しんで貰いたいという想いから。しかし相応の取り扱い方を要するヘリテージカーを、レンタルするという事は双方にとって不安がつきまとう物。そのため、レンタル時には入念な操作方法の説明や。必要とあらば実際に同乗してレクチャーを受けることも出来るだけでなく、有事の際も緊急連絡先を通じて常にバックアップ体制が取られている。気になるレンタル料金はDSが\28,000/日、2CVが\16,800/日から。心置きなくヘリテージシトロエンを楽しむ用意を整えたら、後は京都散策を楽しむだけ。シトロエンという切り口から見る京都は、新たな趣を感じれる事請け合いだろう。

AutoNeeds(アウトニーズ)
URL: https://www.auto-needs.com/


 

オートダイレクト

アストンマーティンをはじめとしてヘリテージカーから新型車まで、趣味性の高い車両にフォーカスして取り扱っている〝オートダイレクト〟。取り扱う車両のコンディションには一切の妥協も無く、港区東麻布のショールームに並ぶ車両もどれも良コンディションを保つ個体ばかり。大きな変革期を迎えている自動車産業の行先は、EVや自動運転などのハイテクありきのクルマ。こうした時代だからこそ、あえて趣味性の高いヘリテージカーを選ぶ、趣味人に刺さるセレクトをしていくをモットーとしている。最近は長年得意としてきたアストンマーティン、ジャガーに加えてエッジの効いた空冷ポルシェのラインナップも強化中。東京タワーに隣接するビル下のセキュリティーを完備した専用駐車場には常時豊富な在庫が用意され、コンディションはどれも折り紙付きだ。

今回のオートモビルカウンシル に並んだのは、オートダイレクトが注力する空冷ポルシェの2台。ソリッドなレッドが鮮やかな一台は、1974年式 Porsche 911 Carrera 2.7 通称ナナヨンカレラと呼ばれるモデル。ナナサンカレラ譲りの2.7Lエンジンを搭載し、ビックバンパーを備えたナナヨンカレラに、リフレッシュと適度なモディファイを加えたこの個体は、なんとミツワ正規ディーラー物。オレンジが映えるナローな一台は、1971年式 Porsche 911 E。ナローポルシェの中でも最もスタンダードと言える911Eは、911の魅力を最もシンプルに味わえる一台なんだとか。また、最新型のポルシェも展開しているオートダイレクトでは、ドイツ本国と直接取引し、ポルシェのパーソナリゼーション部門「エクスクルーシブ・マニュファクチュア」でのオーダーが可能。このプログラムは、カタログに無いカラー・オプションを用いて世界に一台だけのポルシェを仕立てる、いわばビスポークプラン。既に本プログラムでオーダーしたガルフブルー/ガルフオレンジのポルシェ992タルガ4Sが日本上陸済みで、オートダイレクトでは、随時エクスクルーシブ・マニュファクチュアでのオーダーを受け付けている。

AUTO DIRECT(オートダイレクト)
URL: www.auto-direct.jp


 

KOA SPEED

空冷ポルシェ全般にオリジナリティレストモッド・モディファイや、「クラシックポルシェ用エレクトロエアコンシステム」の開発・販売も行う〝KOA SPEED〟初出展となった前々回のオートモビルカウンシルから、こだわりを詰め込んだアースカラー仕立てのポルシェ911T 3.3 RSR Turboや、「往年のラリースタイル」をテーマに製作され、ステッカーやウェザリングが随所に施された1983年式 ポルシェ 911SC〝Baja Frosch(バハ・フロシュ)〟など、ひと際目を引くモディファイが人気を博していたが、今回はこれまでとは一線を画す存在、1995年式 LS1-Powered ポルシェ993 が会場に並んだ。

オーバーフェンダーや、迫力のあるリアウイングで武装されたこの1995年式 LS1-Powered ポルシェ993は、万人が扱えるファスト・カーというテーマの基にKOA SPEEDの手によって生み出された獰猛なチューンドカー。ノーマルの993型911をベースに、ル・マンやFIA GT2向けホモロゲ―ションモデルであるポルシェ993型911 GT2をオマージュしたこの一台は、なんと心臓部にアメリカ・シボレーで販売されているシボレー・コルベットC5用LS1コンプリートエンジンを搭載している。ターゲットである993型911 GT2に搭載されている3.6Lフラット6は、ツインターボに過給される事で430馬力を発生。しかしこのLS1-Powered 993はアメリカの伝統的なOHV 5.7L V8 NAエンジンにチューニングキットを適用し、GT2同等の430馬力を獲得した。意外にもエンジン・ミッション間のアダプターケースなど僅かな加工のみで簡単に搭載ができたというこのエンジンは、シボレー初となるオールアルミV8ユニット。ポルシェ製フラット6と比較しても軽量で、大排気量NAユニットがもたらすビッグトルクは、獰猛な見た目に意外なほどの扱いやすさを与え、軽やかで快適なクルーズを楽しめるGTカーに仕上がっているのだとか。


 

WANNA DRIVE

ポルシェ・アストンマーティン・メルセデスベンツ…最新の現行車からヘリテージカーまで、インポートカーを中心に幅広いメーカーの車種を取り扱う〝WANNA DRIVE(ワナ ドライブ)〟メインテナンスはどんな車種でもOK、扱うクルマの門戸は広く開かれていて、常に数十台の豊富な在庫車が用意されている。その中にはエッジの効いた最新スポーツカーから50年代のヘリテージ、1点物のスペシャルモデルと、少々特別な仕様の「つい欲しくなってしまう」魅力的なクルマばかり。今年はその豊富なラインナップの中から、1969年式 Chevrolet Camaro Z28 tributeが登場した。

この1969年式 Camaro Z28 tributeは、ノーマルのカマロを当時のトランザムレース出場のためのハイパフォーマンスモデル「Z28」仕様に、アメリカ本国にてモディファイされたものを輸入し、最終仕上げを行った一台。内外装共に完璧にZ28仕様に仕立てられたこの一台は、本来搭載されるべき5LV8エンジンをキャンセルし、NA OHVユニットの中でも最大級の排気量となる427キュービックインチ(6,997cc)のビッグブロックエンジンがインストールされている。日本に持ち込まれてからも公道でのテストを繰り返し、トランクションバーやフレームコネクターなど、随所にシャーシの補強を施すことで堅牢姓を向上させ、この時代のアメリカ車には似つかわしくないカチッとしたドライブフィールに仕上がっているとのこと。内燃機関の中でも最大級の排気量を持つこのエンジンが放つエキゾーストノートはまさに「獰猛」の一言で、当然一切の電子制御も持たないこのクルマを、5速マニュアル・FRというパッケージでねじ伏せる快感は、他には味わえないであろう。

WANNA DRIVE(ワナ ドライブ)
URL: https://wannadrive.net/


 

ガレージイガラシ

(本出展者は新型ウイルス対策に伴う出展見合わせのため、一昨年の様子をご紹介いたします。) 年式・車種、一切不問。ガレージイガラシは、軽度の日常的なメインテナンスから、内外装や機関のレストア・オーバーホール、またアップグレードまで幅広く自社工場で行えるのが強み。また、 各種ラリー競技へもサポートしている頼もしいカーファクトリーである。

1978年の創業から数えて32年。ヘリテージカーを扱うのに欠かせないメーカーごとの特殊工具やテスター、6台のピットと塗装ブースも備えるガレージイガラシではヘリテージカーのあらゆる状況にも対応可能。豊富で確かな技術力をもとに、愛車をベストコンディションに仕上げてくれる。

ガレージイガラシ
URL: https://garage-igarashi.co.jp/


 

photograph: Ryousuke Doi
edit & interview: Chihiro Watanabe